R2年度において、以下の検討を行った 1. 神経炎症モデルにおける11C-GW2580と11C-CPPCの生体イメージングの比較: 新規CSF1Rトレーサー11C-GW2580と既存トレーサー11C-CPPCを用いて、17-20月齢APP-knockin(KI)マウスの生体脳イメージングを行ったところ、両トレーサーともにアミロイド病理が顕著な前頭葉及び海馬部に顕著な放射能集積が認められた。アミロイド病理が軽微な小脳部を参照領域にしたDVR値は同月齢のNon- KIマウスに比べ、有意に増加したが、11C-GW2580のDVR値は11C-CPPCに比べ、有意に高かった。以上のことから、11C-GW2580は慢性神経炎症において11C-CPPCより鋭敏にCSF1R発現を検出することができると考察した。 2.非ヒト霊長類における11C-GW2580と11C-CPPCの生体イメージングの比較: 11C-GW2580と11C-CPPCを用いて、正常サルの生体脳イメージングを行ったところ、11C-GW2580脳内取り込みは未標識GW2580の投与により阻害され、生体脳における特異結合が認められた。これに対して、11C-CPPC脳内取り込み量は11C-GW2580より多いものの、未標識CPPCの投与による阻害が認められず、生体脳における特異結合が認められなかった。
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