研究課題
脳部位の神経活動を繰り返し、非侵襲的に操作できる化学遺伝学的技術であるDREADDは、近年、ヒトと同様の高次脳機能を有する非ヒト霊長類への応用が進んでいる。しかし、げっ歯類に比べ利用できる個体数に限りのある非ヒト霊長類に適用するための条件検討は従来の方法では時間的・経済的コストが多大となり、より効率的な条件検討手法が求められている。本研究ではPET等インビボイメージングを用いることで目的導入タンパク(人工受容体)の発現だけでなく操作された神経活動の変化を反映する機能的側面も定量的に評価することで、非ヒト霊長類への適用を効率的に最適化させる手法を確立することを目的とする。人工受容体の発現量の定量評価のため、ウイルスベクターの条件を複数設定してサル脳内に注入した。またすでにウイルスベクターが投与されたサルを用いて[C-11]DCZを用いたPET測定での人工受容体発現の定量法について複数の解析法の予備的検討を行った。その結果、original multilinear reference tissue model (MRTMo)法が適していると考えられた。神経活動の変化を反映する機能的側面についてFDG-PETを用いた糖代謝の変化を指標の候補として解析法の検討を開始した。
2: おおむね順調に進展している
PETの定量解析法について人工受容体の発現量も機能的側面も比較的順調に検討が進められている。また定量法の確立に向けてモデル動物の作成も滞りなく進められている。
作成したモデル動物を用いてPETによる定量法の確立を進めるとともに、PETで捉えているものが何かより詳細に調べるためインビトロ実験を含め多角的に検討・評価を進める。
実験に必要な消耗品等を最小限に抑えるよう努力したこと、また新型コロナの影響で参加予定だった学会が中止(誌面開催)となったため、当初予定していた旅費が抑えられたため。
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bioRxiv
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10.1101/854513