研究課題/領域番号 |
19K08143
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森田 佳明 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (80628074)
|
研究分担者 |
藤島 史喜 東北大学, 大学病院, 准教授 (40451596)
大田 英揮 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40586905)
杉村 宏一郎 東北大学, 大学病院, 講師 (60375079)
福田 哲也 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (90443506)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | DLR / 撮影時間短縮 / 画質向上 / MRI高速撮影 |
研究実績の概要 |
本研究は、心臓MRIの撮影法であるCine MRI, T1 mapping, 冠動脈MRI(MRAおよびプラークイメージング)に対するDeep Learning Reconstruction(DLR)の有用性を検討するものである。 分担研究者および共同研究者(キャノンメディカルシステムズ)との間で複数回のミーティングを行い、最適なシーケンスやパルスデザイン、DLRによる後処理に関する検討を行った。その後、キャノンメディカルシステムズ開発センターにて、実機(高傾斜磁場強度3T-MRI)を用いてボランティア撮影における評価を行った。冠動脈MRAに関しては、データサンプリングおよび呼吸同期の効率を改善した高速撮影法を応用することで、これまでの 撮影よりも約70%の撮影時間を短縮することが可能となり、さらにDLRを適用することで従来法と同等の画質やコントラスト分解能を維持することが可能であった。この結果を、ISMRM(International Society of Magnetic Resonance in Medicine) 28th Annual Meeting & Exhibition, 2020のoral scientific sessionnにて報告を行った。 T1 mappingに関しては、従来使用されているMOLLI法よりも系統誤差が少なく、撮影時間が短縮可能なSASHA法に関してパルスデザインの検討を行い、ファントムおよびボランティア撮影を行い、T1計測の精度に関する検証を行い、臨床応用に向けての議論を行った。 冠動脈プラークイメージングに関しては、従来法の問題点を検証し、新たなパルスデザインやDLRの応用に関する議論を行った。 Cine MRIに関しては、高速化撮影技術とDLRを組み合わせた撮像シーケンスを作成し、心機能解析おける妥当性を検証した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
冠動脈MRAに関しては、新たな高速撮影法とDLRを応用することで、撮影時間短縮・呼吸同期の効率化・画質維持(向上)といった当初の目的する臨床応用に近づく結果が得られた。学会報告を行い、現在論文化に向けた作業を行っている。 T1 mappingおよびCine MRIに関しても、シーケンスデザインの検討やファントム・ボランティア撮影による初期検討は施行で来ているが、まだ基礎実験やボランティアによる再現性や妥当性の検討までは施行できていない。また、他の撮影法である冠動脈プラークに関しては、ミーティングにて複数のアイデアが議論されたが、まだパルスデザインの作成や検証まではいたっていない。
|
今後の研究の推進方策 |
冠動脈MRAに関しては、初年度作成の撮影法の有用性に関して学会発表を行った。その結果をもとに論文化の作業を進める。 Cine MRIおよびT1 mappingに関しては、これまでの検証をもとに、撮像法の再現性および妥当性の検証を行う。 冠動脈プラーク撮影に関しては、パルスデザイン作成を完成させ、ボランティア撮影等での画質評価などを行いたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
パルスシーケンス作成やDLRの適用条件等の基礎的段階でやや遅れが生じており、ファントム作成や実験、ボランティア撮像、学会参加等の遂行が予定どおり施行できておらず、当初予定使用額に相違が生じています。
|