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2019 年度 実施状況報告書

分子結合技術を用いた造影剤による革新的がんCT画像化技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K08156
研究機関宮崎大学

研究代表者

水谷 陽一  宮崎大学, 医学部, 助教 (40599586)

研究分担者 平井 俊範  宮崎大学, 医学部, 教授 (40274724)
徐 岩  宮崎大学, 医学部, 教授 (40506763)
石塚 匠  宮崎大学, 医学部, 助教 (50700085)
片岡 寛章  宮崎大学, 医学部, 教授 (10214321)
東 美菜子  宮崎大学, 医学部, 講師 (00643389)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードクリック反応 / 分子イメージング
研究実績の概要

CTの造影剤は血管内や間質に漏れ出た領域に増強効果が生じるが、本造影剤はがんに対しては非特異的である。一方、糖誘導体「F-18FDG」を放射性トレーサーとして用いたPositron Emission Tomography(PET)検査はがん細胞の糖代謝異常亢進のため集積が高く、がんへの特異性が高い分子イメージングで、がん患者の診断に多く利用されている。FDG-PET検査のような「分子イメージング」は、生体内の分子レベルの代謝情報を画像化し、今や癌の診断において必須の診療画像情報を提供している。このPET検査は、一般に放射性核種の半減期は短く、またPET検査では高額装置の準備の必要性や患者や医療スタッフの被ばくの問題から、我が国の地域医療に広く根ざすには至っていない。一方、CT装置は広く普及しているが、この検査で用いる造影剤は血管内や血管から移行した間質を増強させるもので、がんを特異的に描出するものではない。そのため、がん診断のための革新的で汎用性の高い非侵襲的画像化技術の開発が切に望まれる。
本研究では、クリック反応を用いてCTヨード造影剤の分子とがんマーカー(糖、核酸、およびアミノ酸)を結合させ、この技術ががんに特異的な新たなCT画像診断技術になるかを動物実験で明らかにすることである。
2019年度は、第一段階として、トレーサーとしてのアルキン基を持つ糖(核酸、アミノ酸)誘導体、アジド基を持つヨード製剤の分子の創製を行った。市販の5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタル酸を酸塩化物とする反応からはじめ、次いでアジド基を導入する。さらに2-アミノ-1,3-プロパンジオールを反応させ、所望のCT造影剤であるアジド基を持つイオパミドールを合成を試みる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2019年度は、第一段階として、ガラクトン酸γ-ラクトンを出発原料とし、4段階変換を経て中間体を得た。続いて、脱保護反応およびアセチル化により所望の糖導体を得た。糖代謝のがん病巣への集積性を高めるため、また蛍光分子を最も強く発光させるため、精密な空間的構造の最適化をする必要があり、D-マンノサミン塩酸塩をN-スクシンイミジル4-ペンチノエートと反応させてアルキンを持つ糖導体、次いで、アセチル化によって所望の糖導体を得た。市販の5-アミノ-2,4,6-トリヨードイソフタル酸を酸塩化物とする反応からはじめ、次いでアジド基を導入を試みている。

今後の研究の推進方策

2020年度は、アジド基を持つイオパミドールを合成を完成させ、アルキンを持つ糖誘導体とアジド基を持つイオパミドールを「クリック反応」にて結合し、この生成物を1H-NMRおよび質量分析により確認する。
第二段階として、がんモデル動物としてがん細胞を移植したマウスを作製し、にアルキンを持つ糖誘導体の尾静脈投与後、アジド基を持つイオパミドールを静注し、CTにて経時的に撮像を行う予定とする。
2021年度は、モデル動物の安全性評価、病理学的評価、およびNMR・質量分析を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

年度内に予算を消化し、終了予定であったが、予定通りの研究が行えなかったため、次年度使用額が生じた。次年度の学会発表に利用予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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