研究課題
基盤研究(C)
本研究では、脊髄脊椎のMRI撮像手法と解析法の最適化を行い、臨床応用のための基盤を築いた。高度かつ新たな撮像技術を用いて高分解能の撮像を実現し、MPGパルスの検討により新たな定量値を取得した。また、Spinal cord toolboxを用いた解析法の妥当性を確認し、定量的MRIデータベースの構築を試みた。頚椎症性脊髄症の患者に対するMRIデータの解析結果から、臨床的バイオマーカーの有用性も確認された。COVID-19の影響でデータ収集に制約があったものの、臨床応用への可能性を示した。
放射線診断学
本研究の結果は、MRIを用いた脊髄の定量的な微細構造解析を目的とした撮像や解析が、かなり高度なレベルで臨床における条件下でも可能であることを示すものであった。社会的意義としては、現在、臨床で広く普及している形態的なMRI撮像ではとらえることが困難な、脊髄内における健常および病的な微細構造変化をMRIで定量的に評価することが可能であることを意味し、客観的な画像を用いた脊髄の評価方法として重要である結果と考えられた。