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2021 年度 実施状況報告書

放射線障害防護分子としてのFGFの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 19K08164
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

川野 光子  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命・医学部門, 主幹研究員 (90422203)

研究分担者 中山 文明  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 放射線規制科学研究部, グループリーダー (50277323)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード放射線障害
研究実績の概要

放射線によるがん治療の現場において、放射線治療をこれまで以上にパワフルで安全性の高いがん治療法に昇華させるためには、放射線障害に対する予防・治療法の開発が必須である。本研究では、放射線障害の病態を再現する動物モデルと、防護効果を有する分子として繊維芽細胞増殖因子(FGF)を用い、放射線障害に対する安全性の高い新たな予防・治療薬開発を見据えた基盤研究の展開を目的とする。
FGFがその機能を発揮するためには、標的細胞上のFGF受容体に結合する際、ヘパリンとの三者複合体を形成する必要がある。複数のFGFが創傷治癒や放射線照射による腸管障害の治療に使用されており、ヘパリンと共に投与される。しかしながら、外因性のヘパリンには強い血液抗凝固作用があるため、臨床での使用は制限されていることから、血液抗凝固作用を持たず、FGFとその受容体と三者複合体を形成してFGFの機能を発揮できる分子が必要とされている。ヒアルロン酸(HA)はヘパリンと似た構造を持つ糖鎖であり、硫酸化することでFGF2と相互作用することが知られている。そこでまず、硫酸化HAを化学的に合成し、FGF1への結合能および血液抗凝固能を検討した。その結果、高硫酸化HSはヘパリンと同程度にFGF1への結合能を示すこと、また、硫酸化HAの血液抗凝固作用はヘパリンよりも非常に弱いこと、HAおよび硫酸化HAは抗凝固因子(AT-3)を活性化しないことが明らかとなった。以上により、FGFを用いた治療において、高硫酸化HSは出血の危険性が極めて低い糖鎖として、ヘパリンに代わる可能性を示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2019年度より研究企画業務が主務となり、研究実施が困難であった。2021年度より、研究実施体制を強化することで、遅れを取り戻しつつある。

今後の研究の推進方策

本研究課題について、研究分担者を加えるとともに業務補助員を雇用することで研究実施体制を強化した。引き続き、本体制にて研究を実施し、加えて、外部委託や研究用キット、データベース等を利活用し、できる限りスピーディに研究を実施し、遅れを取り戻すべく、時間的にも研究費的にも無駄のない研究推進を行う。

次年度使用額が生じた理由

理由:当該年度において、研究企画職が主務であったことから、研究の実施が困難であった。
使用計画:業務補助員を雇用して研究実施体制を強化する。加えて、外部委託や研究用キット、データベース等を利活用し、できる限りスピーディに研究を実施し、遅れを取り戻すべく、時間的にも研究費的にも無駄のない研究推進を行う。

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公開日: 2022-12-28  

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