研究課題/領域番号 |
19K08165
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
藤井 博史 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 分野長 (80218982)
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研究分担者 |
北條 隆 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 科長 (20286503) [辞退]
大西 達也 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 科長 (70445211)
藤井 誠志 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30314743)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 乳癌 / センチネルリンパ節 / 転移 / 免疫 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、センチネルリンパ節内の非癌部所見からセンチネルリンパ節の転移状態および予後を予測するためのインビボ画像診断技術の確立を目的としており、非臨床研究と臨床研究の両面からアプローチしている。 非臨床研究については、前年度(令和2年度)までの動物モデルを用いた検討で、センチネルリンパ節内の転移病巣をインビボでイメージングするためには、従来のイメージングプローブでは、腫瘍特異性や感度が不十分であることが分かり、腫瘍親和性プローブの改良が必要と考えられたため、今年度(令和3年度)は、新規腫瘍親和性プローブについての検討を進めた。核医学に関しては、これまで蛍光イメージングでがん病巣を選択的に描画できることが確認されているアミノペプチダーゼ活性を標的としたがん病巣親和性プローブを放射性核種I-125で標識することで、SPECT撮像が可能なRIプローブの開発を進めた。その結果、腫瘍病巣に高い親和性を示すイメージングが可能であることを確認した。また、MRIについては、従来のMRIプローブの感度が不十分と考えられたため、組織透過性に優れている長波長近赤外線蛍光を発する蛍光プローブにGd-DOTAを結合させたデュアルモダリティプローブを開発し、光、MRIの両方の画像検査で良好な信号が検出できることを確認した。 臨床研究に関しては、前年度までに確認したセンチネルリンパ節生検を行い、センチネルリンパ節に転移を認めなかった症例約3,000症例を対象とした検討を進めた。経過観察中に再発を来した症例約200症例を抽出し、局所再発症例などを除いて、センチネルリンパ節内の病理組織学的所見(転移状態、リンパ濾胞の発現)と臨床経過について検討するための後ろ向き観察研究の立案を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
非臨床研究に関しては、転移リンパ節内の非癌部で発達するリンパ濾胞の描画だけではなく、センチネルリンパ節内の小転移病巣を高感度で検出するためのイメージングプローブを併用した方が転移病巣の検出が容易になると考え、がん親和性プローブの改良について検討を進めており、当初の予定より、研究の進捗が遅れている。 また、臨床研究に関しては、前年度に引き続き、検討対象となる症例について抽出し、研究計画の立案を進めているが、こちらも当初の予定より、研究の進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
非臨床研究については、新たに開発を進めたRIプローブ、MRIプローブについて、これまで利用して来たリンパ節転移モデルを中心に検討を重ねていく予定である。また、RI検査に関しては、エネルギー分解能に優れたCdTe半導体検出器を利用した高感度イメージングについても検討を進める。 臨床研究に関しては、2010年~2019年にかけてセンチネルリンパ節生検を行った乳癌症例を対象とした臨床研究を引き続き進め、早期に結果が出るように努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
非臨床研究に関しては、これまで検討してきた非癌部で発達するリンパ濾胞だけを可視化の対象とするのではなく、がん病巣自体の信号も変化させ、センチネルリンパ節内の小転移病巣の描画を容易とする検討を行うこととしたため、その結果を得るために、次年度も、研究を継続することとした。 また、臨床研究については、実際の症例の収集を進め、解析方法を検討しているが、未だ検討結果を得るに至らなかったため、検討を継続することとした。
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