本研究の目的は、粒子線がん治療計画における線量計算の高精度化を可能とするデュアルエネルギーを用いた新しい『CT値-阻止能比変換』の開発である。研究期間内において、デュアルエネルギーCT装置を用いた撮影を通して本手法の基本原理の妥当性を調べるとともに、本手法に適した画像ノイズ低減法を検証した。その結果、本手法により1%以下の精度で阻止能比を決定できることが明らかとなった。ただし、得られた阻止能比画像のノイズはCT画像と比較して2倍以上の増加が見込まれるが、エッジ保存ノイズ低減法を適用することにより、被写体内の微細構造の描写能を損なうことなく、画像ノイズを1/3以下に低減できることが判明した。
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