研究課題/領域番号 |
19K08175
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藪内 英剛 九州大学, 医学研究院, 教授 (70380623)
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研究分担者 |
神谷 武志 九州大学, 大学病院, 助教 (20419534)
佐々木 雅之 九州大学, 医学研究院, 教授 (40240907)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | COPD / 超高精細CT / 肺気腫 |
研究実績の概要 |
2019年度は症例の蓄積を行った。①COPD患者に対し、年1回、吸気・呼気の超高精細CT、スパイログラムを行い、10例の患者さんに、吸気・呼気の全肺のボリュームデータを収集した。②原発性肺癌患者で手術を予定している患者20例に対し、術前に吸気・呼気相の超高精細CTを撮像し、吸気・呼気の全排ボリュームデータを収集した。また、画像解析については、Workstationを用いて、上記症例の以下の解析を行い、定量解析が問題なく行える画像であることを確認した。 ①吸気相・呼気相での気管支壁厚、壁厚比(壁の面積/外径内の面積)、②LAA%(CT値-950HU以下の低吸収域/全肺容積)、③吸気肺容積、呼気肺容積、吸気-呼気肺容積 並行して、文献検索や学会参加により、COPDの定量的画像解析に関する最新の情報も入手した。 従来CTよりも超高精細CTの0.25mm等方性ボリュームデータでは大容量となったが、既存のWorkstationを用いて、定量的画像解析が問題なく行えることを確認した。 2020年度は、症例の蓄積を更に行い、COPD症例では、肺機能データの収集とCT paremeterとの相関の解析を行う。肺癌手術例では病理組織学的所見との対比を行い、特にCOPD合併肺癌の群では、非腫瘍部の伸展固定肺を用いてスケール入りの実態顕微鏡像を撮影し、得られた末梢気管支の壁厚と、超高精細CTから得られた末梢気管支の壁厚の相関を解析する予定である。また、定量評価については、観察者間変動の他、画像解析ソフト間での変動も確認していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
症例数が目標数より低かったが、これは呼吸器内科、胸部外科の診療患者数に依存する面もあるため。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、症例の蓄積を更に行う。2019年度が目標症例数を下回ったため、呼吸器内科と胸部外科から積極的に患者を研究にリクルートを行う。肺癌手術例では病理組織学的所見との対比を行い、特にCOPD合併肺癌の群では、非腫瘍部の伸展固定肺を用いてスケール入りの実態顕微鏡像を撮影し、得られた末梢気管支の壁厚と、超高精細CTから得られた末梢気管支の壁厚の相関を解析する予定である。 また、定量評価については、予定していた解析ソフト以外のソフトウェアも使用して、比較を行う。 またCTから得られる定量値(LAA%、気管支壁厚、壁内腔比、吸気呼気の変化率など)と肺機能検査の経時的変化の対比を行い、Cox 比例ハザード回帰分析による生存/死亡、増悪あり/なしのアウトカムに対し、臨床因子、画像因子、検査因子の多変量解析を行い、ハザード比と信頼区間により、予後因子を解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末のコロナウイルス感染地域の拡大で、海外学会への出張等を急遽キャンセルし、物品費等に充てたが、残金が少額生じた。翌年分の助成金と併せて、旅費等に有効に使用する予定である。
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