研究課題
症例収集:大分大学に異動後、胆管癌の症例収集を行った。2011年10月から2020年9月にMRI上で胆管癌を疑う症例を94症例(男女比63:31、平均年齢65歳)抽出した。背景肝・胆道病変の有無、末梢胆管拡張の有無、腫瘍サイズ、T1,T2WIの信号、造影パターン、壊死の有無、リンパ節腫大の有無を解析中である。現在のところ、末梢胆管はlarge duct typeのでは拡張し、small duct typeでは拡張しない傾向がうかがえる。造影パターンではsmall duct typeでは多血性の傾向がある。今年度は胆道腫瘍としてMCN(mucinous cystic neoplasm)4例、IPNB(intraductal papillary mucinous neoplasm of bile duct)3例の画像解析を行った。MCNはいずれもS4に発生した多房性嚢胞で悪性を示唆する充実部分は認めなかった。またIPNBは多様な画像所見を呈したが、拡張した胆管内に乳頭状に増殖し、肝実質への浸潤が見られた。いずれも肝内胆管癌の前がん病変と考えられるが、その進展形式や悪性度に違いが見られた。また腎機能が低下した症例での低濃度造影剤(300㎎I/kg)、低管電圧(80kVp)撮影に人工知能ベースの再構成法AiCEにて再構成したCT画像の画質評価を行った。動脈での動脈描出(総肝動脈、亜区域レベル)門脈相での門脈枝描出、遅延相での肝実質評価、ノイズを定性的、定量的に評価した。対照群は通常の造影剤量(600㎎I/kg)、管電圧(120kVp)結果:総肝動脈、門脈、肝実質、ノイズの定性・定量評価でAiCE再構成が従来法を上回った。造影剤減量でも肝内胆管癌の評価を十分行える可能性があることが判明した。研究期間は終了したが、引き続き肝内胆管癌のradiogenimics解析を施行していく予定である。
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