研究課題/領域番号 |
19K08177
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
篠藤 誠 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, QST病院 治療診断部, 医長(定常) (50551503)
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研究分担者 |
塩山 善之 公益財団法人佐賀国際重粒子線がん治療財団九州国際重粒子線がん治療センター(臨床研究部), 臨床研究部, センター長 (10323304)
有村 秀孝 九州大学, 医学研究院, 教授 (20287353)
吉武 忠正 九州大学, 医学研究院, 講師 (40452750) [辞退]
松本 圭司 九州大学, 医学研究院, 助教 (40467907) [辞退]
浅井 佳央里 九州大学, 大学病院, 助教 (40635471) [辞退]
平田 秀成 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 医員 (90721267)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 重粒子線治療 / 膵癌 / 深層学習 |
研究実績の概要 |
難治がんの代表である膵癌の予後は極めて不良である。化学療法の進歩に伴い、補助化学療法と手術の組み合わせにより、より生存成績の向上が示されている。さらに、放射線治療の一つである重粒子線治療は、高い線量集中性と殺細胞効果を示すことから、放射線抵抗性腫瘍である膵癌に対しても安全に良好な局所制御効果を示し、さらに生存成績の向上が期待される。これら複数の選択肢の適切な組み合わせや、施行するタイミングについての明確な基準を明らかにするべく、重粒子線治療施行例の精密な臨床情報からなるビッグデータを解析し、重粒子線治療後の予後予測及び治療アルゴリズム決定のシステムを構築する。初年度において、2014年度から2017年度において、九州国際重粒子線がん治療センターで根治的重粒子線治療を施行した144例の膵癌症例を対象に治療成績および予後予測因子の解析を行った。次年度では、患者背景を統一するため局所進行膵癌に限定し、かつ、2018年度までに治療を行なった80例について治療成績および予後予測因子の解析を行なった。これらの基礎データをもとに、収集データの再検討を行うとともに、アウトプットとして適切な指標に関する検討を行なった。今後、これらの臨床情報を多層ニューラルネットワークによる機械学習の手法を用いて膵癌患者の予後予測モデルを構築し、良好な予後をもたらす治療アルゴリズムを開発する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、過去治療奨励の情報収集と治療成績の解析を行なった。これまでの解析から得られた基礎データを元に、適切なインプットとアウトプットの選択について検討を行なった。最終年度では、膵癌患者の予後予測モデル構築を行う。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの解析から得られた基礎データをもとに、インプットとなる因子の選択および、アウトプットの選択について更なる検討の上、膵癌患者の予後予測モデルを構築する。さらに、新規治療症例でのシステムの検証を行い、追加学習を通してモデルの精度を高める。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19蔓延のため、当該年度の出張が発生しなかったが、当該年度の出張を次年度に行う必要があるため。
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