研究課題
1.中央遮蔽なしの全骨盤照射(WP)とCT-based IGBT (IGBT)による根治的放射線治療施行の子宮頸癌40例の解析を進めた。FIGO進行期はIB1: 12、IB2: 12、IIA: 1、IIB: 11、IIIB: 3、IVA: 1であった。扁平上皮癌37例、腺癌2例、腺扁平上皮癌1例で、治療前腫瘍径中央値は47mm (14-81mm)であった。WP 45Gy/25回(4門照射)とIGBT 15-20Gy/3-4回(A点)が行われた。線源強度調整でリスク臓器線量制約を満たさない12例でA点線量が減量された。HR-CTV D90中央値は73Gy(60-87Gy)であった。OARのD2ccの中央値はそれぞれ膀胱74(58-95)Gy、直腸56(51-76)Gy、S状結腸 63(51-73)Gy、小腸 57(45-74)Gyであった。経過観察期間中央値33ヶ月(9-52ヶ月)で、2年局所制御率 (LC)/無病生存率は85%/75%であった。各因子別の2年LCはHR-CTV 40cm3以上/未満:96%/77% (P=0.08)、HR-CTV D90 70Gy以上/未満: 93%/64% (P=0.02)、総治療期間57日以上/未満: 93%/67% (P=0.04)であった。グレード3以上の晩期有害事象は3例(膀胱2例、直腸1例)に認めた。結果を国際学会で報告し、英文論文を投稿中である。2.子宮頸癌根治的放射線治療における、強度変調放射線治療(intensity modulated radiotherapy: IMRT)による全骨盤照射(WP-IMRT)と、3D-IGBTの併用による臨床試験プロトコルコンセプトの検討を進めた。JCOG放射線治療グループ若手の会(2018年)にて提出されたプロトコル案をベースに、メール通信会議でのディスカッション、ブラッシュアップを進めた。コンセプトの概要をJCOG放射線治療グループコアメンバー会議で発表した。
3: やや遅れている
WP-IMRTと3D-IGBTの組み合わせによる根治照射のプロトコルについて、研究組織内及び他施設の研究者とも立案ブラッシュアップの作業を進め一定の進捗を得たが、未完成の状態である。
WP-IMRTと3D-IGBTの組み合わせによる根治照射のプロトコルを完成する。WP-IMRTを先行的に実施していた施設(大阪国際がんセンター)の医師(和田健太郎)を研究分担者に加え、プロトコル作成を加速する。
予定していた出張2件(学会参加)がCOVID19流行により中止となったため、不要となった旅費から次年度使用額が生じた。次年度の出張旅費と、投稿論文のオンライン掲載にかかる経費に充てることを計画する。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)
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