研究課題
1. 治療計画に診断画像情報を用いた「個別化法」でITV10mmに設定したIMRT planning studyを行った。40例857回治療の解析でCTV coverageは良好(PTVへCTV非含有割合: 7%, CTVの外れ体積: 平均4cc)だった。3D-CRT計画と比較してOAR線量(腹腔V40、仙骨D50)が低減した。2. 大阪国際がんセンターでWP-IMRT + 3D-IGBTを行った子宮頸癌28例の解析で、治療反応性と合算線量(HR-CTV D90= 70Gy以上)が局所制御良好の因子であった。OAR D2cc値を許容内に抑えつつ合算線量70Gy以上を達成するには、特に大腫瘍症例で組織内照射併用腔内照射(IC/IS)の必要性が示唆され、既出の臨床試験結果(IJCO 2020; 25: 1977-1984)を裏付けた。3. 研究分担者に数名の他施設研究者を加えたワーキンググループで、上記2を踏まえて設定したHR-CTV D90の合算線量76Gy(IMRT45Gy+IGBT 24Gy)の妥当性を議論した(メール・Web会議)。global基準との乖離、臨床データの不足から合意に至らなかった。4. JCOG放射線治療グループ参加施設にアンケート調査を行った。WPに中央遮蔽を適用しない方向性は23/32施設(72%)が賛同し、WPにIMRTを用いる方向性に27/32施設(84%)が賛同した。3D-IGBTは26/32施設(81%)で既に実施されていたが、IC/IS実施は10施設のみであった。HR-CTV D90合算線量は、ABS・GEC-ESTRO基準(80-90Gy)に設定すべきとの意見が21/32施設(68%)と多数であった。5. 以上の結果を踏まえ、現時点でWP-IMRT+3D-IGBTの多施設共同研究に向けた臨床試験の立案と実施は困難と考えられた。
4: 遅れている
WP-IMRTと3D-IGBTの組み合わせによる根治的放射線治療の臨床試験について、WP-IMRTの方向性と内容はほぼ固まった。一方、3D-IGBTに関しては、外部照射(IMRT)との合算線量の合意形成が困難であること、IC/ISの併用が現時点での本邦の普及状況から実施可能性が難しいことが明らかになった。以上より、現時点での臨床試験プロトコルの立案と実施は困難と判断された。
本研究課題の研究期間内での前向き臨床試験の開始を断念する。改めて、前向き臨床試験プロトコル立案に向けての基礎データ収集を行う。具体的には、1. 本研究班施設(及びその他有志施設)で全骨盤IMRTのfeasibility study、2. 3DCRTまたはIMRT(ともに中央遮蔽なし)+3D-IGBTの観察研究(合算線量80Gy以下の妥当性、IC/ISを加えた治療プロトコルのfeasibilityの検討)を進める。
新型コロナ流行に伴い予定していた学会出席が中止となり、旅費支出がなくなったため。次年度の英文校正費用、論文投稿料等への支出を計画する。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件、 オープンアクセス 13件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 図書 (1件)
Jpn J Radiol.
巻: 39 ページ: 93-99.
10.1007/s11604-020-01039-8.
J Radiat Res.
巻: 62(2) ページ: 269-284.
10.1093/jrr/rraa107.
Anticancer Res.
巻: 40 ページ: 3565-3570
10.21873/anticanres.14346.
Int J Clin Oncol.
巻: 25 ページ: 1977-1984.
10.1007/s10147-020-01736-4.
BMC Cancer
巻: 20 ページ: 1169
10.1186/s12885-020-07672-w.
Anticancer Res
巻: 40 ページ: 4095-4104
10.21873/anticanres.14408.
Br J Radiol
巻: 93 ページ: 20180850.
10.1259/bjr.20180850.
Sci Rep
巻: 10 ページ: 4105
10.1038/s41598-020-60871-0
Radiother Oncol
巻: 161 ページ: 266-272
10.1016/j.radonc.2020.08.015.
European Journal of Radiology
巻: 132 ページ: 109293~109293
10.1016/j.ejrad.2020.109293
Eur Radiol
巻: 30 ページ: 1525-1533
10.1007/s00330-019-06454-8.
In Vivo
巻: 34 ページ: 2739-2743
10.21873/invivo.12096.
Photodiagnosis Photodyn Ther.
巻: 32 ページ: 102087
10.1016/j.pdpdt.2020.102087