研究課題
本年度は子宮頸癌根治照射における中央遮蔽を用いない(CSなし)外部照射(3次元原体照射:3D-CRT, 強度変調放射線治療:IMRT)と3次元画像誘導密封小線源治療(3D-IGBT)併用の実施可能性(feasibility)と頸部病変の至適(目標)線量を探索する多施設共同後向き観察研究を8施設で進めた(jRCT1072210070)。167例が集積され、T1,2例においては、組織内照射併用腔内照射(IC/IS)の適正使用でCSなし外部照射のfeasibilityが確認された。腫瘍制御に影響を与える有意な独立因子として、病理組織型、総治療期間、腫瘍縮小率、外部照射とIGBTの合算線量(HR-CTV D90)が取り上げられた。合算線量について、腺癌や反応不良例を除き海外標準(80-85Gy)からの減量の可能性が示唆された。一方、T3,4例では特にHR-CTV大の症例でfeasibilityに問題があり、IC/ISの方法に改善の余地があることが示唆された。以上の結果を国際誌に投稿し受理された(Jpn J Clin Oncol 2023. doi: 10.1093/jjco/hyad022)。当初の研究計画ではIMRTを用いた全骨盤照射(WP-IMRT)と3D-IGBT併用の前向き臨床試験を行い患者登録実施までを予定した。研究代表者が参画する日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)で本研究を提案したところ、試験治療に関する既存臨床データ不足と、本邦の目標線量の合意形成不十分であることが指摘され、多施設臨床試験の実施は困難と結論された。以上を踏まえて、まず実施可能性(feasibility)と至適(目的)線量を探索する多施設共同後向き観察研究を行う計画に変更された。本研究で本邦での実臨床データで特にCSなし外部照射のIMRTでのfeasibilityと目標線量が確認できた。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
Jpn J Clin Oncol
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