研究課題/領域番号 |
19K08183
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
富田 夏夫 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (60643781)
|
研究分担者 |
芝本 雄太 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (20144719)
大佐賀 智 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (60790772)
小澤 良之 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (90569005)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 高精度放射線治療 / 定位照射 / 照射間隔 / 再酸素化 / 酸素癌細胞 |
研究実績の概要 |
低侵襲で治療効果の高い、高精度放射線治療である定位照射は、1回あたり大線量を少数回で治療することが特徴である。しかし毎日小線量ずつ照射する従来法の線量分割とは大きく異なるため、至適照射間隔をあきらかにすることが急務である。腫瘍内の低酸素癌細胞は放射線治療抵抗性で、再発の主な原因となる。分割照射期間中に、腫瘍内の微小環境変化により低酸素細胞分画が減少していくことを再酸素化と言う。私たちはこれまでの基礎実験で、1回大線量照射後の低酸素細胞分画は、再酸素化により72時間後まで低下することを明らかにした。そのため、定位照射は連日行うより、2-3日間隔を開けて行うほうが、より有効に再酸素化を利用でき、治療効果が高まる可能性がある。本研究では、これらの成果の臨床応用にむけて、放射線生物学を基礎とした定位照射の至適照射間隔の開発を目的とする。 本研究の内容は、転移性脳腫瘍を対象に、定位照射の週2回法と連日照射法の無作為化比較試験を行い、定位照射の最適な照射間隔を明確にすることを試みる。研究体制については放射線治療、画像診断、統計のエキスパートにより試験は実施される。また学内倫理委員会及び臨床試験研究開発センターと十分に連携し、その監督下で提言をうけ、また情報の開示も行い、特に倫理面には十分に配慮し、試験を遂行する。計画の骨子は固まっているが、昨年度は各部署と連携をとりながら、実施計画書を作成している段階であった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の内容は、転移性脳腫瘍を対象に、定位照射の週2回法と連日照射法の無作為化比較試験を行い、定位照射の最適な照射間隔を明確にすることを試みる。研究体制については放射線治療、画像診断、統計のエキスパート、学内倫理委員会及び臨床試験研究開発センターと十分に連携し、その監督下で試験を遂行する必要がある。そのため計画の骨子は固まっているが、現在各部署と調整を要するため、時間を要し、以前実施計画書を作成中の段階である。
|
今後の研究の推進方策 |
現在各部署と調整を要するため、時間を要し、以前実施計画書を作成中の段階である。 今年度中に実施計画書の完成を目指すものとする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初論文掲載料を見込んでいたが、掲載料不要の雑誌に掲載されたことが理由である。 本年度の論文掲載料として使用予定である。
|