研究課題/領域番号 |
19K08186
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
嶺 貴彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (00631293)
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研究分担者 |
関根 鉄朗 日本医科大学, 医学部, 講師 (00747826)
藤井 正大 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60297926)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 腹部大動脈瘤 / EVAR / エンドリーク / 4D Flow MRI |
研究実績の概要 |
今年度は引き続き①4D Flow MRI解析のファントム実験と、②臨床試験を行った。①ファントム実験においては、昨年度の課題としてあげられた細径血管の位置情報の調整に注力した。進める過程で、MRI撮像上の問題(血管辺縁における信号折り返しのノイズの発生)などが新たに認められ、撮像パラメーターの補正を繰り返した。更に、解析においてはFUJIFILM社VINCENTの開発用システムを使用し、同社の開発者と協議を重ねながらより精細なノイズ補正を試みた。②臨床試験では、数多くの臨床症例のデータ蓄積ができるようになった。臨床で得た画像処理を①のファントム実験でブラッシュアップした撮像解析技術を導入することができるようになった。 結果として、これまでのデータから腹部大動脈瘤のEVAR後の血管内腔におけるエネルギー準位の変化の測定が可能となった。ここで、EVAR後には治療領域におけるエネルギー損失量が増大することがわかり、また、血管解剖ごとのエネルギー損失程度の違いの傾向を探ることができた。さらに、エンドリークと動脈瘤内の信号パターンとの関連も示すことができた。これらの結果を示す論文を現在作成中であり、また、日本医学放射線学会、脈管学会、国際磁気共鳴学会などの国内外の学会で発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
MRI撮像においては、血管辺縁に生じるノイズの問題が新たに挙げられた。撮像機器の問題であるか、撮像パラメーターの問題であるか判断が難しいところがあり、その調査に時間を要した。更に、今年度からは解析用のソフトウェアにFUJIFILM社の開発用モデルを使用しており、上述のノイズ補正や新たな解析技術の導入に取り組んだ。その過程において、開発者との協議・ソフトウェアのブラッシュアップの工程を繰り返しており、当初の予想以上の時間を要することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
当初研究計画では今年度が研究終了年度であったが、来年度までに延長した。解析技術はおよそ定着してきているため、来年度にはこれまでに撮像した臨床データを改めて解析しなおし、目標としてきた論文の発表と実臨床への応用を現実化してゆきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初研究計画では今年度が研究終了年度であったが、来年度までに延長した。解析技術はおよそ定着してきているため、来年度にはこれまでに撮像した臨床データを改めて解析しなおし、目標としてきた論文の発表と実臨床への応用を現実化してゆきたい。来年度は、ソフトウェアのオプション費用、国際国内学会参加のための旅費、論文制作発表のための諸経費として繰越額を使用する計画である。
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