研究課題/領域番号 |
19K08200
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
古川 又一 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (80380004)
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研究分担者 |
伊東 克能 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00274168)
松隈 美和 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (70467801)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 乳癌検診 / 乳腺MRI / 拡散強調画像 |
研究実績の概要 |
本研究では、近年撮像技術の改善により、ゆがみが少なく画質の改善が見られる空間分解能の高い拡散強調像に主眼を置き、造影剤を用いない乳房MRI検査により乳癌スクリーニングの診断能をあげていくことを目指している。乳癌検診に、検査時間短縮を図った非造影MRI検査をとりいれることで、どの程度乳癌の検出率が向上し、診断性能を向上させることができるか、低侵襲かつ客観的なエビデンスを築いていくことを目的とする。 MRI検査は全例3テスラMRIおよび16チャンネル乳房専用受信コイルを用いて行い、撮像の基本プロトコールは、T1強調・T2強調像水平断、高分解能拡散強調像(RESOLVE)で、高分解能の拡散強調像である”RESOLVE”の評価をADC 値を含め定性・定量的に行い、高分解能拡散強調像の有用性を検討する。 平成31年(令和1年)度、令和2年度の目標MRI検査数をそれぞれ約100件とし、併せて行われているマンモグラフィ検査や精査のための造影検査、手術所見と得られたデータを比較評価し、擬陽性所見をどうすれば減らせるかを検討するとともに、早期発見による縮小手術や医療費縮小の観点からも乳癌検診にどういう形でMRI検診を取り入れていくのが効率的であるかを検討する。2019年4月1日から2020年3月31日の期間に当院で撮像された乳腺MRI検査は約140件であり、令和2(2020)年度も引き続き後方的に解析を行っていくための症例の蓄積を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度のMRI撮像件数は約140件と、目標症例の100件を超えているが手術や生検が行われていない症例も含まれている。病理所見や経過観察での増大の有無から、不適切症例の除外、症例の良性病変と悪性病変に分離し、画像所見と比較していく予定であるが、正確な手術症例数や病理所見の把握ができておらず検査症例の振り分けがまだ行えていない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度も引き続き同一プロトコールの拡散強調画像を含む乳腺MRI検査を行っていき症例の蓄積を行う。同時にこれまで撮像された症例の手術所見や病理所見を確認し、症例の振り分けを行っていく。また、MRI画像の読影評価を行えるよう画像データの匿名化など準備を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
データの蓄積中であり、まだ解析を行うためのコンピューター類を購入しておらず物品費が次年度へ繰り越しとなった。次年度前半に物品購入を行い、データをまとめていき発表の準備を進めていく予定である。
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