研究課題
腫瘍悪性度の分類や予後予測に対し、医用画像解析が遺伝子情報解析に匹敵する可能性が指摘され、レディオミクスと呼ばれる新たな研究分野が形成されつつ ある。一方、その予測精度を高めるために必要となる高品質で大規模な医用画像データベースの作成において、装置間の機器的な相違や撮影条件の相違が大きな 障壁となる。本研究では、この問題の根本的な克服に向け、臨床で撮影される医用画像の多様性を利用して単一の医用画像撮影 プロトコルでは実現できない階 層の情報抽出に基づいた正規化法を研究する。 当該年度研究期間内では、人体CT画像の正規化について、CT画像の効率的な表現方法とCT画像を特徴付けるX線スペクトル解析、およびCT画像から人体の電子密度・Stopping Power Ratioを求める新たな方法について研究を行い成果を論文として公表した。CT画像の効率的な表現に関する研究で は、特殊関数である球面調和関数やルジャンドル関数を用いて表現することで、のちにX線散乱等において応用しやすい形で効率化が図れることを示した論文を発表した。また 被写体を通過するX線の情報やその情報を利用して得られるCT画像から、X線スペクトルを精度高く推定する深層学習モデルを作成した。そのX線スペクトル推定 には、従来求めることが難しかったコーンビーム型のCT装置にも利用できることを示した。MRI画像、PET画像、超音波画像の医用画像についても正規化による予後予測・病気予測等の影響について、それぞれ単独での研究を行い、 MRI及びPET画像に関しては学術論文を公表するとともに、超音波画像に関しては総説を寄稿した。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 3件) 図書 (2件)
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