研究実績の概要 |
本研究は、PVA-KIゲルの加温により赤く呈色した溶液を透明にする反応メカニズムの解明及びPVA-KIゲルへの放射線照射における反応メカニズムの解明を目的としている。PVA-KIゲルの加温により赤く呈色した溶液を透明にする反応メカニズムの解明においては、「可逆的ラジオクロミックゲル線量計の開発」放射線化学 112号 (2021) p.p.53-60にその詳細を報告した。PVA-KIゲルへの放射線照射における反応メカニズムの解明人しては、顆粒状の部分ケン化PVA 重合度2000 ケン化度86.5 mol%を用いて10 wt%のPVA 水溶液を用いて、質量パーセント濃度PVA 5.5 wt%、KI 9.1 wt%、ホウ砂3.6 wt%、果糖4.9 wt% からなるPVA-KI ゲルを作製し、作製したPVA-KI ゲルを光路長1 cm のPMMA 製ディスポセルに入れ、本研究で開発したLEDとカラーセンサを組み合わせたin situ測定(その場測定)装置を使用して、X線照射中のゲルによる光吸収をin situ測定するシステムを構築し、2Gy未満の測定を行い吸収線量域における特性を明らかにした。本結果は、福井工業大学研究紀要 第51号,p.p.50-55 (2021)において発表した。さらに、日本原子力学会, 2021春の年会, 講演番号2M02, オンライン, 2021年3月18日、日本原子力学会, 2021秋の大会, 講演番号3M07, オンライン, 2021年9月10日において発表した。さらに、Heイオン照射と光吸収測定を同時に行うことが可能なセパレート型in situ 測定システムを構築し,Heイオン照射による,受光カウントの時間分解測定を行うことにより,PVA-KIゲルへの重粒子線照射の特性を明らかにした。本結果は、日本原子力学会, 2022年春の年会, 講演番号2F01, オンライン, 2022年3月17日において発表した。
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