研究課題/領域番号 |
19K08219
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
玉木 義雄 筑波大学, 医学医療系, 客員研究員 (60188422)
|
研究分担者 |
小島 寛 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10225435)
水本 斉志 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (20512388)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | B細胞リンパ腫 / 放射線治療 / 化学療法後の再発 / 芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍 / ランゲハンス細胞組織球症 / 孤立線維性腫瘍 |
研究実績の概要 |
1)症例研究:造血器腫瘍で放射線感受性の多様性を示す症例について検討した。化学療法後に再燃した芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)の皮膚病変に8Gy/2frの放射線治療を行ったところ、腫瘍の縮小ならびに非照射部位の皮膚病変が自然退縮した。他のBPDCNの1例は、皮膚病変に57Gy/19frの照射をおこなったが、照射野内外に再燃をきたした。成人期に発症したランゲハンス細胞組織球症(LCH)の症例で、21年前から繰り返し化学療法と放射線治療を受けていたが、頭蓋骨から脳硬膜に達する大きな再発巣に対して30Gy/10frの放射線治療を行い、2年経過して局所制御されていた。成人のLCHの至適線量に関しては確立されておらず、比較的大きな病巣には低線量よりも中等度の線量が適していると考えられた。造血器腫瘍ではないが、術後に再発をきたし低血糖発作を伴う孤立線維性腫瘍(SFT)で、骨盤内の巨大腫瘤が15Gy/5frの放射線治療で縮小し、低血糖症状が改善した。放射線に高感受性を示すSFTはこれまで報告がない。これらの症例について、学会ならびに論文で報告した。 2)化学療法後に残存または再発した濾胞性リンパ腫(FL)ならびにびまん性大細胞B細胞性リンパ腫(DLBCL)の放射線治療に関する検討:自験例から17例、18病巣を抽出し解析した。FLの6病巣では、放射線治療後のPET検査で全例が完全寛解し、照射野内再発はなく、照射野外再発を1例認めた。投与線量はEQD2で30-50Gy(中央値36Gy)であった。DLBCLの12病巣のCell of originは、GCB:5、non-GCB:5、未確定:2であった。投与線量はEQD2で30-50Gy(中央値40Gy)であった。治療効果はCR:9、PR/SD:3(GCB: 2、未確定:1)であった。照射内再発はnon-GCBの1例に認められた。
|