研究課題
放射性ヨウ素(I-131)治療抵抗性転移性分化型甲状腺癌は、分子標的薬(レンバチニブなど)による治療が保険適用となり治療の選択肢が広がった。レンバチニ ブ治療で、高血圧や手足症候群や腎障害などの副作用により休薬せざるおえない症例があることや、また、効果があっても費用が高額な分子標的薬を生涯服用し 続けなければならないなどの問題点が存在する。 去勢抵抗性前立腺癌における細胞表面特異性抗原のPSMAをターゲットとしたPSMA治療がI-131治療抵抗性の転移性分化型甲状腺癌の治療として成立するかについては、分化型甲状腺癌病変でのPSMA発現の有無が鍵となり、本研究では、Cu-64 PSMA-PETのPSMA抗原の発現評価を行う上での有用性を動物実験にて評価することを目的としている。 去勢抵抗性前立腺癌における細胞表面特異性抗原のPSMAをターゲットとしたPSMA治療がミュンヘン工科大学など欧米の医療機関で行われPSA完解の症例が見られるなど、今後の本邦での臨床応用が期待されている。PSMAは、前立腺癌以外の癌でも発現が見られ、甲状腺癌の治療にも応用の可能性がある。欧米では、Ga- 68PSMA-PETによるPSMA発現の評価が一般的であるが、本邦では、Ga-68のジェネレーターが効果であり、また、普及も進んでおらず、実際の実施が普及しない。 一方、当院では、サイクロトロンにより、Cu-64の合成が可能であり、動物実験データの実績も多い。 本研究では、放射性ヨウ素(I-131)治療抵抗性の転移性分化型甲状腺癌の治療としてPSMA治療が成立するかについてCu-64 PSMA-PETにより判断できるかについて検討を始めた。 新型コロナウイルス流行に伴い、研究スタッフの学内への立ち入りが制限されるなど、研究の円滑な進行に支障が出るも、薬剤合成、動物実験モデルの作成などの実施の準備を進めた。
すべて 2021
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