研究課題/領域番号 |
19K08229
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
村山 貞之 琉球大学, 医学部, 非常勤講師 (60239548)
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研究分担者 |
長尾 充展 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (60533081)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 4D flow MRI / 肺高血圧症 / 右心機能低下 / 渦度 / 肺動脈 |
研究実績の概要 |
本研究では、4D flow MRIの肺高血圧症患者の診断における有用性について検討する。4D flow MRIでは渦流やらせん流など異常な血流を視覚的に評価でき,最近では渦流を定量的に評価するvorticity解析(渦度解析)が新たに開発されている。Vorticity解析はこれまでの4D flow MRIによる渦流解析のlimitationを克服した画期的な指標で,今後さらなる知見を生み出すと期待されている。本年度は2020年北米放射線学会で発表した内容を基に、成果を原著論文としてまとめた。本研究では4Dflow MRIを用いて、ファロー四徴症(TOF)修復術後患者を評価するための新しい血行力学的パラメータとして、主肺動脈における渦度の積分であるcirculationを調査した。TOFを有する20人の患者に4D flow MRIを施行し、circulation、右心機能と肺動脈弁逆流との関係を評価した。20人中15人の患者(75%)に4Dflowで主肺動脈に異常な渦形成を認めた。主肺動脈circulationは右心機能と相関がみられた。肺動脈弁逆流とcirculationまたは右室機能の関係は有意ではなかった。主肺動脈におけるcirculationの増加は、TOF修復術後患者における右室機能障害に関連していることが示された。本研究成果はScientifc Reports. 2021 Jun 2;11(1):11623.に掲載された。またこれまで継続してMRIによる肺血流評価をテーマとした研究成果を国内外へ発表してきた実績から、第55回福岡胸部放射線研究会および第13回呼吸機能イメージング研究会において招待講演の機会を得た。胸部領域のMRI、肺血流に関連した内容を講演し、4D flow MRIの肺高血圧症患者の診断における有用性についてもこれまでの知見と今回得られた最新の知見をまとめ講演会で発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肺高血圧症を合併する先天疾患である,ファロー四徴症患者を対象に4DflowMRIを行い,データ収集・解析が終了し、研究結果・成果をまとめ、海外英文雑誌に発表済みであり研究の進捗は順調である。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに本研究を通して蓄積したCTEPHの症例に関してもデータをまとめて論文として発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定と変更があったため。次年度は計画通りに進行していきたい。
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