過剰に放出されたシナプス内グルタミン酸は、神経細胞障害を引き起こす。けいれん重積型(二相性)急性脳症(AESD)におけるMRSの検討から、グルタミン酸興奮毒性が病態に関与すること、神経マーカーであるN acetyl-aspartate (NAA) が予後予測に有用であることを見出した。 軽症興奮毒性型急性脳症(MEEX)ではグルタミンの一過性高値であるがNAAは正常であることを報告し、疾患スペクトラムの広がりを示した。乳児期頭部外傷に伴うAESD類似病態である二相性臨床経過と遅発性拡散能低下を呈する乳児外傷性脳傷害(TBIRD)の臨床像を確立し、MRS解析から興奮毒性の関与を明らかにした。
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