研究課題/領域番号 |
19K08238
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
児玉 大志 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (20422834)
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研究分担者 |
平田 豊 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10441247)
山門 亨一郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20263022)
高木 治行 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (30378377)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 間質性肺炎 / 急性増悪 / ラジオ波凝固療法 |
研究実績の概要 |
SDラットに、経気管支的にブレオマイシンを散布し、間質性肺炎モデルラットを作成した。その後、健常ラット及び、間質性肺炎モデルラットに対して、開腹下に経横隔膜的な肺ラジオ波凝固療法(RFA)を施行した。RFA施行1週間後に安楽死させ、気管支肺胞洗浄を行った後、肺を摘出し、血液サンプルを採取した。摘出した肺組織はヘマトキシリン・エオジン染色並びにマッソントリクローム染色を行い、健常ラット群、間質性肺炎モデル群、健常ラットに肺RFAを施行した群、間質性肺炎モデルラットに肺RFAを施行した群の、4群間で比較を行った。また、気管支肺胞洗浄液を用いて好中球数及び好中球比率を算出し、4群間で比較を行った。血液サンプルは、マルチプレックスアッセイキットを用いて23種のサイトカインを測定し、4群間の比較を行った。 結果、肺組織及び血中サイトカイン値はブレオマイシンを投与したか否かの影響が強く、気管支肺胞洗浄液中の好中球数は、RFAを施行したかの影響が強い事が分かった。間質性肺炎モデルラットに肺RFAを施行することが、急性炎症増悪に繋がるという我々の仮定は、現時点では確認できていない。 上記結果を踏まえ、現在研究分担者と会議を開き、今後の研究方針を練り直しているところである。一つは間質性肺炎モデルの作成方法を再検討し、ブレオマイシン持続皮下注への変更を検討中である。二つ目は肺RFA施行時期及び安楽死時期の再検討である。現在はブレオマイシン投与2週間後にRFAを行っているが、これを3週間後とし、安楽死はRFAの2日後とする方向で検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ブレオマイシン間質性肺炎モデルに対して肺RFAを行う事で、1週間後の血中サイトカインレベルに変化が出る事を想定していたものの、予想以上に変化が微細であったため、研究計画を練り直しているところであるが、それ以外は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの研究結果を踏まえ、現在研究分担者と会議を開き、今後の研究方針を練り直している。一つは間質性肺炎モデルの作成方法を再検討し、ブレオマイシン持続皮下注への変更を検討中である。二つ目は肺RFA施行時期及び安楽死時期の再検討である。現在はブレオマイシン投与2週間後にRFAを行っているが、これを3週間後とし、安楽死はRFAの2日後とする方向で検討を行っている。 上記研究計画の変更で想定した結果が得られた場合、サイトカイン産生経路阻害や拮抗薬投与により間質性肺炎急性増悪を制御できるかを検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
間質性肺炎モデルラットに肺RFAを施行後、急性増悪が生じる事を想定して実験計画を練っていたが、想定しているよりも急性炎症増悪の程度が軽微であったため、in vitro研究に進めておらず、これが原因で次年度使用額が発生した。このため、in vitro研究は今年度に行う予定としており、肺胞上皮細胞(A549)や、これを用いて行う為に必要な物品(培養容器や、抗サイトカイン抗体などの免疫染色のための試薬)購入の為に次年度使用額は使用予定である。
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