研究実績の概要 |
本研究では間質性肺炎に対してRFAを施行すると何故急性増悪が引き起こされるのかを解明用しようとした。まず、健常ラットとブレオマイシンを用いた間質性肺炎モデルラットにおけるサイトカイン応答の違いを、動物実験で検討した。ラットはコントロール群、RFA単独群、間質性肺炎群、間質性肺炎+RFA群の4群に分けて検討した。RFA施行1日後時点では、コントロール群に比し、間質性肺炎群、RFA単独群、間質性肺炎+RFA群で各種サイトカインレベルが上昇していたが、RFAに伴う有意な変化は認められなかった。一方、RFA7日後の時点では、IL-1a, Il-2, IL-4, Il-5, Il-6, IL-10, IL-17, IFN-γ, M-CSF, MIP-3α, RANTESといったサイトカインがコントロール群や間質性肺炎群に比し、有意に上昇していた。従って、これらのサイトカインが肺RFA後の炎症を担っていると考えられた。しかしながら、RFA群と間質性肺炎+RFA群との比較では有意な差が認められなかった。また、RFA後のBALF中細胞の評価も行ったが、RFAに伴う細胞増多はあったものの、RFA単独群と、間質性肺炎+RFA群との間に有意な差は認められなかった。また、病理組織標本でも変化を観察したが、RFA単独群よりも間質性肺炎+RFA群の方が広い範囲で焼灼されていたものの、それ以外には大きな事態は認められなかった。このため、本研究でRFA後の間質性肺炎急性増悪のメカニズムを明確に解明することは困難であった。
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