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2020 年度 実施状況報告書

グルタミン酸神経毒性における分子間相互作用の探索的PETイメージング研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K08240
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

山崎 友照  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 先進核医学基盤研究部, 主任研究員(定常) (80627563)

研究分担者 森 若菜  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 先進核医学基盤研究部, 研究員(任常) (30835442)
藤永 雅之  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 先進核医学基盤研究部, 主任研究員(定常) (70623726)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードPET / AMPA受容体 / AMPA受容体調節タンパク / 11C / TARP-g8
研究実績の概要

近年、グルタミン酸の過剰放出に起因する神経毒性は、神経変性疾患の病態と深い関連性が示唆されている。本研究では、神経毒性が生じた際のグルタミン酸受容体やエンドカンナビノイシステム(eCS)の分子間相互作用をPETイメージングを用いて明らかにすることを目指す。
令和2年度では、イオンチャンネル型グルタミン酸受容体の一つであるAMPA受容体の調節たんぱくとして知られるTARP-g8に選択的な新規PETプローブである[11C]YQZ-2の定量法の確立を行った。
はじめに、ラットを用いて動脈採血を伴うPET撮像を行い、[11C]YQZ-2の詳細な脳内動態の情報を解析した。その結果、TARP-g8が最も豊富に存在している海馬領域で分布容積(DVt)が1.6 mL/cm3、発現量が少ない領域である小脳で0.7 mL/cm3であった。次に,小脳を参照領域としたSimplified Reference Tissue Model (SRTM法)により、各脳領域において、特異結合の指標であるBinding Potential (BP)を算出した。その結果、高い方から、海馬で1.1、前頭葉で0.9、偏桃体で0.8、線条体で0.6であった。
以上のように,令和2年度では、非侵襲的且つ定量的にTARP-g8の脳内密度を反映するパラメーターを推定する方法を確立した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウィルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言の発令により、テレワーク日数が増加し、実験を行うことが出来なかったため、進捗はかなり遅れている.

今後の研究の推進方策

令和3年度前半では、確立した[11C]YQZ-2を用いたTARP-g8の定量法の測定精度を確認するために、テスト-リテスト試験を行う。
また,AMPA受容体を調節するTARP-g8は,癲癇などの急性のグルタミン酸神経毒性においての役割は不明なため,令和3年度後半では,てんかんモデル動物を用いて,TARP-g8の発現量の変化をPETを用いて経時的に観察する.このように,癲癇の病態変化におけるTARP-g8の発現量変化を追跡することは、グルタミン酸受容体-エンドカンナビノイシステムにおける分子間相互を明らかにするためには極めて重要であると考えられる。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言の発令により、テレワーク日数が増加し、実験を行うことが出来なかったため、消耗品や備品の購入が少なくなったためと,予定していた国際学会への参加をキャンセルしたため,次年度使用額が生じた.生じた予算は今年度に行う実験の消耗品や備品の購入のために使用する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] モノアシルグリセロールリパーゼを標的としたPETプローブを用いた脳内pHイメージング法の開発2020

    • 著者名/発表者名
      山崎 友照、平石 惇人、森 若菜、大久保 崇之、栗原 雄祐、念垣 信樹、張 明栄
    • 学会等名
      第60回日本核医学会学術総会

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公開日: 2021-12-27  

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