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2021 年度 実施状況報告書

グルタミン酸神経毒性における分子間相互作用の探索的PETイメージング研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K08240
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

山崎 友照  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部, 主任研究員 (80627563)

研究分担者 森 若菜  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 先進核医学基盤研究部, 研究員 (30835442)
藤永 雅之  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 先進核医学基盤研究部, 主任研究員 (70623726)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードPET / AMPA受容体 / AMPA受容体調節タンパク / 11C / BPND / 結合能
研究実績の概要

令和3年度では,イオンチャンネル型グルタミン酸受容体の一つであるAMPA受容体の調節たんぱくとして知られるTARP-g8に選択的な新規PETプローブである[11C]YQZ-2の非侵襲的な定量法の検証を行った.
はじめに,非侵襲的に[11C]YQZ-2のTARP-g8に対する結合能をPETを用いて推定するために,生物学的にTARP-g8の発現が少ないことが知られている小脳,橋,視床を参照領域の候補領域とし,Simplified Reference Tissue Model (SRTM法)を用いて,適切な参照領域の選定を行った.その結果,小脳を参照領域とした方法が,最もデータのバラつきが少なく(r = 0.94),動脈採血より得た,血漿の入力関数を用いて求めた結合推定値との誤差が最小となった.次に,代表的な非侵襲的解析方法であるSRTM2,Ichise‘s Multilinear Reference Tissue Model 2 (MRTM2),Logan’s Reference Tissue Model (Logan Ref), 及びRatio methodを用いて結合能を推定し,その値の推定精度及び再現性を比較検討し,[11C]YQZ-2の脳内動態に適した解析モデルを選定した.
その結果、Logan Ref法が最もデータのバラつきが少なく(r = 0.97),高い再現性(ICC >0.3)を示したことから,[11C]YQZ-2の非侵襲的な解析法として最も適した方法であることが示された.
以上のように,令和3年度では,非侵襲的に[11C]YQZ-2のTARP-g8への結合能を推定するための[11C]YQZ-2の脳内動態に適したモデルの選定を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナ感染症対策により,テレワークが増え,実験が出来ない期間が生じたため.

今後の研究の推進方策

AMPA受容体を調節するTARP-g8は,癲癇などの急性のグルタミン酸神経毒性において重要な役割を果たしていることが知られている.令和4年度では,ピロカルピン誘導てんかんモデル動物を用いて,病態の変化におけるTARP-g8の発現量の変化を,今年度で確立した非侵襲的な解析モデルを用いてPETにより,経時的に観察する予定である.このように,癲癇の病態変化におけるTARP-g8の発現量変化を追跡することは、グルタミン酸受容体-エンドカンナビノイシステムにおける分子間相互作用を明らかにするためには極めて重要であると考えられる。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言の発令により、テレワーク日数が増加し、実験を行うことが出来なかったため、消耗品や備品の購入が少なく
なったためと,予定していた国際学会への参加をキャンセルしたため,次年度使用額が生じた.生じた予算は今年度に行う実験の消耗品や備品の購入のために使
用する予定である.

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公開日: 2022-12-28  

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