脳内のチオシアン酸イオン(SCN-)の排出システムを定量的に測定することができれば、SCN-の毒性の評価や脳疾患の病態解明に貢献することが期待される。本研究で開発した6-[11C]thiocyanatopurine誘導体([11C]TP)は、血液脳関門を通過後、脳内で[11C]SCN-に速やかに変換された。また、脳からの[11C]SCN-の排出速度は阻害剤により投与量依存的に減少することが明らかとなった。以上、[11C]TPを用いることによって、脳内のSCN-の排出速度を非侵襲的・定量的に推定することが可能となった。
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