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2019 年度 実施状況報告書

人工子宮・人工胎盤システム管理下胎児治療(開腹手術)の安全性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K08245
研究機関東北大学

研究代表者

齋藤 昌利  東北大学, 医学系研究科, 教授 (00451584)

研究分担者 埴田 卓志  東北大学, 大学病院, 助教 (30400360)
星合 哲郎  東北大学, 大学病院, 講師 (10569560)
渡邊 真平  東北大学, 大学病院, 助手 (70509413)
佐藤 信一  東北大学, 大学病院, 助手 (30770359)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード胎児手術 / 人工子宮 / ヒツジ / 横隔膜ヘルニア
研究実績の概要

胎児の形態学的異常の診断は,超音波診断装置の発達に伴って飛躍的にその精度が上がった.先天性横隔膜ヘルニアや腹壁破裂もそのほとんどが今日では胎児診断されるようになった.先天性横隔膜ヘルニアは,ヘルニア孔から胸腔内に脱出した腹腔内臓器の圧迫により,肺の成長が妨げられ,出生直後に重篤な呼吸循環不全をきたす.また腹壁破裂は腸管が羊水中に長期に浮遊するため,浮腫や捻転をきたし,出生直後に広範な腸管切除を要する場合がある.これらの疾患の特徴は妊娠期間を延長させるほど臓器障害が進行する可能性があることである.そのため臓器障害をきたす前に修復術を行うことができれば,予後は改善するかもしれない.
しかし出生体重2,000 g未満の児に対する外科的治療の安全性は未だ確立されていない.現在の早産児に対する医療は,胎児循環から成人循環への転換と未成熟肺での肺呼吸を出生後から強制する.そこにさらに全身麻酔下の手術が行われれば,容易に呼吸循環不全に陥り,脳室内出血,脳白質損傷,壊死性腸炎など重篤な合併症を生じるからである.
そのため本研究では我々が開発した人工子宮内での手術の安全性を評価する.人工子宮内では肺呼吸はさせず,胎児循環を維持したまま,直視下に手術が可能であり,重篤な合併症を防げる可能性がある.また妊娠中期に修復術を行うことで,その後の臓器の成長を促すことができる.本研究では妊娠103日 (ヒト妊娠28週相当) のヒツジ胎仔を人工子宮内で開腹手術を行い,その安全性を検討する.
令和元年度はヒツジ胎仔8例に開腹術を実施予定であったが, 2例は不受胎で,1例は妊娠初期に子宮内胎仔死亡となった.そのため5例 (いずれも妊娠 106日,体重 1,203 ± 98 g, 平均体重 ± SD) に対して人工子宮下に開腹術を実施し,術後2日に剖検に供し,病理組織を採取した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和元年度はヒツジ胎仔8例に開腹術を実施予定であったが, 2例は不受胎で,1例は妊娠初期に子宮内胎仔死亡となった.ヒツジの交配が予定通り進まなかったため実施した頭数は当初予定されたよりも少ない.

今後の研究の推進方策

今後は採取した脳をMRIと病理組織学的に白質障害の有無について検索する.また術後一時的に胎児循環から成人循環への移行が超音波検査で観察されたため,適切な麻酔方法や循環管理について検討する.

次年度使用額が生じた理由

令和元年度はヒツジ胎仔8例に開腹術を実施予定であったが, 2例は不受胎で,1例は妊娠初期に子宮内胎仔死亡となった.実施できなかった実験や組織検体の評価に要する消耗品代金は次年度に繰り越すこととした.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] The University of Western Australia(オーストラリア)

    • 国名
      オーストラリア
    • 外国機関名
      The University of Western Australia

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公開日: 2021-01-27  

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