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2020 年度 実施状況報告書

IL-18ペプチド阻害分子の薬効増強・安定化へむけた立体構造・機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 19K08249
研究機関岐阜大学

研究代表者

加藤 善一郎  岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90303502)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードIL-18 / 阻害薬剤 / ペプチド / 立体構造解析
研究実績の概要

新規に発見したIL-18シグナルペプチド由来分子標的阻害剤を基盤とした薬効増強等を目的とした立体構造・機能相関解析を進めている。すでに、IL-18リガンド のmature formへの変換の際に切り出されるシグナルペプチドの阻害効果を発見し、その立体構造的特徴と結合様式の解明・GVHDモデルマウス生体内における薬 効解析等について終了している。さらなる結合増強・安定化などによる薬効を増強するために、すでに得られた原子解像度の立体構造情報をもとに構造改変・立 体構造スクリーニング(改変ペプチド、構造類似合成ポリマー、低分子薬剤等)による新規分子開発を進めることが本研究の目的であり、具体的には、これまで 行ってきたIL-18関連分子群(IL-18リガンド、IL-18 binding protein, receptor α、receptor β, その他のβトレフォイル型インターロイキンなど)のアゴ ニスト・アンタゴニストとしての機能解析をふまえ、薬剤としてのポテンシャルの違いを、生物機能、タンパク安定性などについてタンパク構造学的に検討して いる。特に発見したIL-18ペプチド阻害分子を用いた改変・分子置換設計を進め、阻害剤・リガンド複合体間の立体構造結合様式の詳細 についての解析を進め、立体構造上での分子解析を行った。分子表面における立体障害の計算、及び、分子表面における電荷及び水素結合の可能性をもつ原子を あらかじめ同定したのち、各種原子間相互作用を保持しつつ置換できるかどうかなどを検討した。特に水溶液中での安定構造について解析を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

構造解析において、ペプチドとしての設計については、従来の構造解析手法を適用して設計を進めた。一方、人工合成分子による置換及び生体内に存在しない原 子・低分子での置換設計については、分子力動計算を応用して誘導体の設計を行う方法を進めている。これらの手法については、すでに完備している設備・ソフ トウエア及び、すでに確立した手法を利用可能であり、効率的な解析が可能であった。すでにオリジナル分子から派生した分子における結合可能性について検討を進めることができたが、改変・分子置換設計について、阻害剤・リガンド複合体間の立体構造結合様式の詳細について分子表面における立体障害の計算、及び、 分子表面における電荷及び水素結合の可能性をもつ原子を同定したのち、各種原子間相互作用を保持しつつ置換を検討し、候補分子群を探索できるシステムを確立した。 その後、水溶液中での安定構造について解析を進め、安定構造から分子を設計するとともに、結合状態への変化を解析する系を確立することを目指した。

今後の研究の推進方策

今後については、新規に設計された分子について、水溶液中での安定構造をもとに、安定化のための分子内結合及び分子間結合を改変し、これまでに、我々が確立した阻害タンパクIL-18BP及 び、共同研究にて得られているヒト型IL18阻害抗体等との結合阻害効果の比較を行う。一方で、分子シミュレーション手法をもちいた相互作用の定量的解析を進 める。この解析については、我々が開発したタンパク・タンパク相互作用を計算できる分子ドッキング手法を応用する予定である。さらに、ドッキングコンフォ メーションにおける水素結合などの結合力の安定性を、部位特異的・結合特異的・時間経過における変動を含めて、分子力動計算などにより定量化する手法を用 いて解析する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)

  • [雑誌論文] Clinical and Immunological Heterogeneity in Japanese Patients with Gain-of-Function Variants in STAT3.2021

    • 著者名/発表者名
      Tanita K, Sakura F, Nambu R, Tsumura M, Imanaka Y, Ohnishi H, Kato Z, Pan J, Hoshino A, Suzuki K, Yasutomi M, Umetsu S, Okada C, Takagi M, Imai K, Ohara O, Muise AM, Okada S, Morio T, Kanegane H.
    • 雑誌名

      J Clin Immunol.

      巻: 41 ページ: 780-790.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] IRAK4 Deficiency Presenting with Anti-NMDAR Encephalitis and HHV6 Reactivation.2021

    • 著者名/発表者名
      Nishimura S, Kobayashi Y, Ohnishi H, Moriya K, Tsumura M, Sakata S, Mizoguchi Y, Takada H, Kato Z, Sancho-Shimizu V, Picard C, Irani SR, Ohara O, Casanova JL, Puel A, Ishikawa N, Okada S, Kobayashi M.
    • 雑誌名

      J Clin Immunol.

      巻: 41 ページ: 125-135.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A Novel Homozygous Mutation Destabilizes IKKβ and Leads to Human Combined Immunodeficiency2021

    • 著者名/発表者名
      Qin Tao、Jia Yanjun、Liu Yuhang、Dai Rongxin、Zhou Lina、Okada Satoshi、Tsumura Miyuki、Ohnishi Hidenori、Kato Zenichiro、Kanegane Hirokazu、Sun Xiulian、Zhao Xiaodong
    • 雑誌名

      Frontiers in Immunology

      巻: 11 ページ: 517544

    • DOI

      10.3389/fimmu.2020.517544

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2021-12-27  

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