ウィリアムス症候群は、約1万人に1人にみられる稀な病気で、7番染色体の片方の一部分がなくなり、陽気で高い社交性、心血管の異常や知的発達の遅れなど様々な症状がみられる。しかし症状の程度は一様ではなく、原因はわかっていなかった。そこで本研究では、DNAの塩基配列に加えられた修飾(エピゲノム)のうち、メチル化状態に着目し、ウィリアムス症候群患者と健常者の検体を使って網羅的に調べた。その結果、 DNAメチル化の程度が両群で大きく異なる遺伝子を多数見出すことができた。とくにウィリアムス症候群では、神経発生や発達に関わる遺伝子のメチル化の程度が健常群に比べて高く、その働きが抑えられていることが示唆された。
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