研究実績の概要 |
SLC22a23ノックアウトラット(SLC22a23-/-)株を作製した。SLC22a23+/-の親ラットの交配を行い、得られた同腹子の遺伝型の違い(SLC22a23+/+, +/-, -/-)による行動の違いを解析した。多動・不安などの違いを調べるため、オープン・フィールド解析(5週齢)、高架式十字迷路(6週齢)、ガラス玉埋め解析(6週齢)を行った。認知・記憶などの違いを調べるため、新規物体認識解析(5週齢)、モーリス水迷路解析(7~8週齢)を行った。5週齢から順次行動解析を開始したが、現在までの実験では、遺伝型の違い(SLC22a23+/+, +/-, -/-)による統計的に有意な行動の違いは見出されていない。
しかしながら、同腹子の体重を比較した所、異なる遺伝型(SLC22a23+/+, +/-, -/-)の間で、顕著な違いが見出された。SLC22a23+/+に対しオスSLC22a23-/-は約20%、オスSLC22a23+/-は約10%、メスSLC22a23-/-は約10%が減少していた(メスSLC22a23+/-では+/+と差が見られなかった)。行動解析で運動能や行動特性の違いが検出されず、体重の違いのみが(雌雄差を伴い)検出されたことから、筋肉や臓器の形成に差はなく、脂肪の蓄積に違いがあると予想される。今後さらに詳細な解析を進める計画である。
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