腫瘍壊死因子(TNF-α)によるヒト脳血管内皮細胞の透過性亢進をHigh mobility group box-1(HMGB-1)モノクローナル抗体が抑制しうるか検討した。TNF-α刺激後に脳血管内皮透過性は亢進し、細胞の紡錘状変形、細胞間間隙の増加、F-アクチン形成の増加、タイトジャンクション分子であるVEカドヘリン蛋白量の減少を認めた。抗HMGB-1抗体の存在下で有意に血管透過性亢進は抑制され、細胞間間隙の増加とVEカドヘリン蛋白の減少は抑制された。また、TNF-α刺激によって増加した上清中の炎症性サイトカインであるIL-6やIP-10濃度は、抗HMGB-1抗体の存在下で有意に抑制された。
|