研究課題
目的:発達性てんかん性脳症(Developmental Epileptic Encephalopathy, DEE)は、乳児期早期に難治性てんかんを発症し、多くは長期的に重度の知的障害を伴う予後不良な疾患群である。近年、ゲノム解析技術の進歩にともない、様々なEOEE関連遺伝子が同定された。しかしながら、これらの変異がなぜ乳児期早期に難治性てんかんを発症させ、重度の脳機能障害を来たすのか、その分子メカニズムについてはほとんど明らかにされていない。我々はこれまで、特徴的なEOEE病型を示した患児が、GNAO1、CDKL5およびTRIM8に病的変異を有することを報告した。また本研究に先立ち、これらの遺伝子にコードされたタンパク質が神経細胞内で構成する複合体を同定し、これらが脳の発達過程で果たす役割を推定した。本研究を通じて、患者由来iPS/皮質オルガノイドを用いて分子病態を再現し、新しい治療標的を見出すための基盤を構築する。研究実施計画:研究初年度に、DEE患児の末梢血からiPSを樹立したのち、当初の予定通り脳オルガノイドを誘導できた。オルガノイドを用いた機能的な解析とプロテオーム解析の結果とを結合させ、GNAO1変異にもとづく難治性てんかんの発症メカニズムと治療標的を探索している。研究経過は順調である。
1: 当初の計画以上に進展している
研究成果を投稿中である
より発展的な成果を得るために、他施設との共同研究を推進する。
当初の予定よりも低額で研究成果の第一報を投稿できた。支出額の調整よりも、研究成果の報告と社会への還元効果を優先させた。
すべて 2021 2020 2019
すべて 雑誌論文 (16件) (うち査読あり 13件、 オープンアクセス 4件)
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