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2021 年度 実施状況報告書

網羅的遺伝子解析と三次元タンパク構造解析を用いたウエスト症候群の基礎病態解析

研究課題

研究課題/領域番号 19K08285
研究機関藤田医科大学

研究代表者

石原 尚子  藤田医科大学, 医学部, 准教授 (30393143)

研究分担者 稲垣 秀人  藤田医科大学, 総合医科学研究所, 講師 (70308849)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードウエスト症候群 / 網羅的遺伝子解析 / 三次元タンパク解析
研究実績の概要

ウエスト症候群は主に乳児期に発症する予後不良なてんかん性脳症であり、その疾患多様性は幅広く、予後も様々である。本研究ではウエスト症候群およびその類縁である難治性てんかん性脳症を対象として網羅的遺伝子解析にて候補遺伝子を絞り込み、その病態解析をすすめるものである。
2021年度は新規のウエスト症候群4例および類縁するてんかん性脳症2例の解析を行い、原因遺伝子の同定をおこなった。ウエスト症候群4例のうち1例の原疾患は結節性硬化症であり、残り3例で網羅的遺伝子解析を行なった。このうち2例で候補遺伝子を特定した。この候補遺伝子はいずれも細胞遊走に関わる遺伝子であり、脳形成障害の原因として知られている。1例は大頭症、もう1例は小頭症であることから、臨床症状との関連づけを元に病態解明を進めていく。小頭症の1例は脳形成障害および神経発達の重篤度が既報告と比べて軽症であり、同定されたバリアントの神経機能への関与を検討する。さらに類縁するてんかん性脳症2例の候補遺伝子はそれぞれ細胞のエネルギー代謝に関連するもの、および細胞接着に関連するものであり、脳の発達/機能への影響が示唆された。同定された2症例の臨床像と遺伝子変化については2022年度の学会にて報告予定である。今後、遺伝子変化に伴う三次元タンパク構造解析を行ない、病態への関連性を解明していく。さらに既報と異なる臨床像について、その差異を同定する目的で実験系を組む必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

網羅的遺伝子解析にて4例の原因遺伝子が同定された。いずれも既報告であるが、1例において臨床像が既報と異なるものであり、その表現型の差異について検討中である。

今後の研究の推進方策

1. 新規症例の研究参加をすすめる。
2. 臨床検査データの集積と、原疾患別の治療経過および予後の評価を行なう。
3. 網羅的遺伝子解析実施例に対する臨床データと候補遺伝子のマッチング作業
4. 候補遺伝子の絞り込みが行なわれた症例について、その病態解析をすすめる。

次年度使用額が生じた理由

次世代シーケンサー解析費用について、前年度の解析症例や他の研究検体と同時に解析を行ない、当初予定している金額を下回ることになった。また昨年度はCOVID-19の影響で学会参加や出張会議がほとんど行われなかった。West症候群をはじめとするてんかん性脳症の発症はCOVID-19の影響を受けず、臨床評価は随時行なっており、次年度にも新規症例の登録を行う予定である。これらの助成金は、次年度の新規症例の解析に充てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Efficacy and issue of long-term ACTH therapy on Doose syndrome with intractable epileptic seizures.2021

    • 著者名/発表者名
      Yoshikane A, Furukawa G, Miyake M, Kawamura Y, Ishihara N
    • 学会等名
      13th AOEC
    • 国際学会
  • [学会発表] Analysis of EEG changes over time in 2 cases of Doose syndrome treated with Long-term ACTH therapy2021

    • 著者名/発表者名
      Ayami Yoshikane, Gen Furukawa, Misa Miyake, Naoko Ishihara*
    • 学会等名
      ISS 2021
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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