MCNSの初発や再発においては、腸内細菌叢の異常が病因として重要な役割を果たしているという仮説を証明することを目的として研究を進めた。4種類の抗菌薬内服により腸管内をほぼ無菌状態にした時のPAN投与ラットの尿タンパク量について評価をした。当初、尿タンパク量は対照と比較して高値となることを予測していた。結果は逆に尿タンパク量が低値となっていた。この原因として4種類の抗菌薬の投与により酸化ストレスと関連する腸内細菌が殺菌される結果、PANラットの尿タンパクが減少したと考えた。そこで酸化ストレスマーカーである尿中8-OHdGを測定した結果、4種類抗菌薬内服前後では8-OHdGが有意に低下していた。
|