研究課題
①遺伝子変異導入マウスの作製:心筋緻密化障害患者において発見されたTBX5遺伝子座の点変異をマウスTbx5遺伝子の相同領域に導入した。ゲノム編集技術によりheterozygoteおよびhomozygoteを得ることができ、胎生致死に至ることはなかった。②遺伝子変異導入マウスによる病理・生理学的機能解析研究:得られたマウス系統の胚性致死または周産期致死の有無と心筋緻密化障害の有無を検討した。その結果、TBX5 R264K/R264Kにおいては野生株に比較して心臓超音波検査では、心機能の低下と左室拡張径の拡大がみられ、心臓/体重比も増大し、拡張型心筋症に類似していた。Tbx5R264K/+と野生株の心電図と不整脈の比較では、Tbx5R264K/+において心電図変化や不整脈の増加は認められなかった。組織染色では、若年TBX5 R264K/R264K は野生株と比較して血管周囲のわずかな線維化のみが認められたが、成年TBX5 R264K/R264Kになると心内膜~心筋内の軽度の線維化の増加が観察された。心奇形は認めなかった。③遺伝子変異導入マウスにおける心筋細胞の発現プロファイル解析:心筋緻密化障害の病理病態において、肉柱形成とそれに続く心筋緻密化過程の関係について洞察を得るため、遺伝子変異導入マウスで肉柱形成時期の心筋と心内膜の発現プロファイルを取得した。その結果、マイクロアレイではTBX5 R264K/R264Kにおいて36個の有意な遺伝子変化が認められた(22遺伝子は亢進、14遺伝子は低下)。上昇した遺伝子にはACTA1、MYOT、ANKRD1, ANKRD23が含まれていた。また、実際にACTA1がコードするskeletal muscle α-actinの発現も上昇していた。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 2件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件)
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