研究課題
少子高齢化が進む現代社会の背景に係わる多様な課題が焦点をあてられるようになり、若齢層の貧困や生活ストレス、出産齢の高齢化が示唆される。義務教育における通常学級で何らかの教育上の介入を要する小児症例数が増えている統計調査が示された。周産期では発達障害の発症に有意な相関性が報告されている低出生体重児や早期出生の発症率は増加傾向にある。同周産期に連鎖する低酸素/虚血状態や炎症の発達障害との係わりが示唆され、病態報告としてオリゴデンドロサイト細胞の発達不全、脳室周囲白質軟化症(PVL)の発症と、脳性まひや認知・行動障害などの神経学的発達障害へ発展する可能性が予測されている。脳内免疫機能を担うミクログリア細胞が、近年、周産期の神経発達制御に係わる可能性が報告されるようになった。そこで、これらの背景の下に、周産期霊長類新生仔4頭および3頭の群へ低酸素6%濃度制御チャンバー誘導30分、および、実験室空気を同流量制御した対照条件の暴露を施した後、数時間以内の4%PFAによる還流固定に基づく脳サンプルを得た。凍結切片脳を対象に、オリゴデンドロサイト・マーカータンパクOlig2、オリゴデンドロサイト前駆細胞マーカータンパクPDGFRα、および、ミクログリアマーカータンパクIba1の脳室周囲白質切片における免疫組織化学染色を行い比較を行った。顕微鏡撮像の細胞像自動識別アプリケーションImageJ(NIH)を活用して再現的定量分によるヒストグラム評価を行った結果、低酸素誘導群では相対的に(1)オリゴデンドロサイトグリアの抑制傾向と、(2)Iba1陽性細胞像の肥大、すなわち、ミクログリアの分化が進んだ可胞性示唆された。本結果から、低酸素リスクの高い周産期新生仔が同状況におかれると脳室周囲組織のオリゴデンドロサイト・グリア抑制が伴う炎症、ミクログリア分化を伴う抗炎症機能活性が生じた可能性を考察し得る。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 1件、 査読あり 17件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
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