研究課題/領域番号 |
19K08306
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
三橋 隆行 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80338110)
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研究分担者 |
高橋 孝雄 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (80171495)
久保 健一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (20348791)
芝田 晋介 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70407089)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小児神経学 / 神経発生 / 大脳皮質 |
研究実績の概要 |
高次脳機能の中枢である大脳皮質は、胎児側脳室周囲にある神経幹細胞より神経細胞やグリア細胞を産生することで形作られる。大脳皮質の機能不全は発達障害や精神疾患の原因となりうるが、ヒトに実施可能な臨床検査(MRI・脳波等)では異常を検出できない症例が圧倒的に多い。さらに近年の報告から、単一遺伝子の機能異常のみでこれら疾患の発症理由を説明することは困難である点が明らかとなっている。つまり、複数の遺伝子異常の組み合わせや、胎内環境(栄養・感染等)の異常が病態発現に与える影響を解析する重要性が高まっている。以上に加えて、我々の複数の先行研究の結果から、遺伝子異常や有害な環境因子・薬物の胎内曝露により神経幹細胞の細胞分裂動態に異常をきたし、大脳皮質構築異常を生じることがマウスを用いた動物モデルで判明している。さらにそれらの病態の背景に特定の遺伝子配列に依存しないエピジェネティクス機構が関与している点が、中枢神経の発生異常をきたす種々の先天奇形症候群の原因遺伝子の解析などから強く示唆されている。そこで本研究では、母体・新生児両者の体重減少から日本での増加が懸念されている胎内低栄養状態が神経幹細胞の細胞分裂動態に及ぼす影響についてマウスで解析した。 本年度は、1)胎内低栄養状態に曝露された胎生14日目神経幹細胞のmiRNA発現の変動解析、2)胎内低栄養状態に曝露された胎生16日目の大脳壁内の転写調節因子の発現量の解析、3)低栄養状態に曝露後出産させ、生後8週目の仔マウスの行動特性の解析(Prepulse inhibition/startle response test、social interaction analysis, Y maze等)を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度計画した実験をほぼ完了しているため。胎内低栄養が神経幹細胞のエネルギー状態に与える影響についての解析についてもサンプルを収集済みであるため。
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今後の研究の推進方策 |
8週齢マウスの行動解析結果から、より幼若なマウスの行動特性を調べる必要が生じたことから、今後実施する計画(予備実験は完了済み)。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、行動解析用マウスを医学部動物実験センター飼育室ですべて飼養する計画であったが、飼育室の感染状況により小児科研究室の動物飼育室に変更したため。次年度は医学部動物実験センター飼育室で飼育するためこれら費用を充当する計画。
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