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2021 年度 実績報告書

胎児が制御する羊膜・絨毛膜の恒常性維持機構とその破綻

研究課題

研究課題/領域番号 19K08307
研究機関東海大学

研究代表者

石本 人士  東海大学, 医学部, 教授 (10212937)

研究分担者 亀谷 美恵  東海大学, 医学部, 准教授 (50338787)
後藤 優美子  東海大学, 医学部, 講師 (50624574)
宮澤 昌樹  東海大学, 医学部, 客員講師 (30624572)
柏木 寛史  東海大学, 医学部, 助教 (10710460)
宮澤 麻里子  東海大学, 医学部, 特定研究員 (80637091) [辞退]
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードミッドカイン
研究実績の概要

本研究では、胎児由来のシグナルが分娩のタイミングが決定するという胎児シグナル説を検証し、その制御機構の分子的基盤を明らかにすることを目的とした。これまで胎児シグナル候補の一つとして成長分化因子 midkine(MDK)に注目し検討を進めている。本年度においては肺上皮細胞モデル細胞としてNCI-H441細胞を用い、A549細胞における変化との比較を行った。合成糖質コルチコイド dexamethasone(DEX)の添加でA549細胞ではDEX量依存的な二相性の変化が認められたが、NCI-H441細胞ではこのような変化がなく、A549細胞でMDK発現が抑制された濃度においてもMDK発現は抑制されなかった。この差異は、同じサーファクタント産生細胞でもA549細胞が肺胞上皮II型細胞のモデルであるのに対して、NCI-H441細胞はこれに類似するが細気管支に存在するクララ細胞のモデルであることを反映しているのかもしれない。しかし妊娠維持の必須ホルモンであるプロゲステロン(P4)に対しては、NCI-H441細胞において妊娠中の生理的P4血中濃度の低濃度の範囲(10nM-100nM)の添加では、MDK発現増強が見られた。これはMDKがP4依存性に調節される可能性を示しており、胎児由来肺胞上皮細胞での検討を要する。一方、以前のRNA-seq結果から、羊膜上皮細胞でMDKにより負に制御される候補遺伝子の一つとしてadrenomedullin(ADM)が挙がっていたため、ヒト羊膜組織培養にMDKを添加し、MDKによるADM発現調節を検討したところ、同様の負の制御が認められた。ADMの羊膜での作用は未知だが、一般的には血管増生への関与が知られる。MDKは羊膜上皮細胞で血管増生因子であるVEGFAも発現抑制するため、これは無血管の羊膜の恒常性を維持する機構に含まれるのかもしれない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 胎盤・胎児ステロイド代謝の総論2022

    • 著者名/発表者名
      石本 人士
    • 雑誌名

      周産期医学

      巻: 52 ページ: 15-20

  • [雑誌論文] 陣痛(分娩)発来機序2021

    • 著者名/発表者名
      石本 人士
    • 雑誌名

      周産期医学

      巻: 51増刊 ページ: 290-295

  • [学会発表] ヒト胎児副腎 この未知なる大きな臓器2021

    • 著者名/発表者名
      石本 人士
    • 学会等名
      第28回日本ステロイドホルモン学会学術集会
    • 招待講演
  • [図書] 標準産科婦人科学 第5版2021

    • 著者名/発表者名
      石本人士、他57名
    • 総ページ数
      697
    • 出版者
      医学書院
    • ISBN
      978-4-260-04265-9
  • [図書] 脳性麻痺と周産期合併症/イベントとの関連2021

    • 著者名/発表者名
      石本人士、他46名
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      メジカルビュー社
    • ISBN
      978-4-7583-2130-3

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公開日: 2022-12-28  

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