クラッベ病(KD)はガラクトシルセラミダーゼの欠損により乳幼児期に脱髄を発症するライソゾーム病の一つである。患者の多くは生後 6 ヶ月以内に重度の運動発達異常を発症し、早期に死亡するが、その治療法は未だ確立されていない。今回、KD の脱髄を惹起する病態メカニズムの解明とその治療応用を目指し解析を行なった。本研究により、KD の病因の一つとされるオリゴデンドロサイトの細胞障害に miR-219 の機能不全が深く関わることが示された。また、オリゴデンドロサイトにおけるサイコシン産生酵素として、ASAH1 の関与が示唆された。miR-219 を標的とする KD の新たな治療戦略の発展が期待される。
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