研究課題/領域番号 |
19K08315
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大田 千晴 東北大学, 大学病院, 助教 (00733106)
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研究分担者 |
山田 充啓 東北大学, 大学病院, 助教 (00396483)
埴田 卓志 東北大学, 大学病院, 助教 (30400360)
菊池 敦生 東北大学, 大学病院, 助教 (30447156)
齊藤 涼子 東北大学, 大学病院, 講師 (30733349)
大田 英揮 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40586905)
木村 正人 東北大学, 大学病院, 非常勤講師 (80646894)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 肺胞上皮細胞 / 慢性肺疾患 / 早産低出生体重児 / 肺高血圧 / 間質性肺炎 / 肺血管拡張薬 / 抗線維化薬 |
研究実績の概要 |
本研究では未熟児慢性肺疾患に伴う肺高血圧症(BPD-PH)の発症メカニズムを明らかにし,肺血管拡張薬および抗線維化薬投与による肺胞恒常性の改善効果を検討することを目的とし,ヒトBPD‐PH肺検体およびマウスモデルを用い,肺胞構成細胞レベルでBPD-PHの発症メカニズムを解明しようとしている. 今年度は,実際のBPD-PH患者肺(移植ドナー肺)を用いて,肺胞上皮細胞マーカー(proSP-C, E-cadherin),血管内皮細胞マーカー(CD31, VE-cadherin)による免疫染色を行い,BPD-PH患者肺における分布について検討した.また,その成果をAmerican Thoracic Societyで発表し,その内容を論文執筆準備中である.さらに,従来から多施設で保管されているBPD-PHおよびBPD, 先天性心疾患によるPH患者肺にアクセスし,分析する準備を開始している.分析及び定量化には共同実験室に整備されているTissueFaxsを用いる. また,in vitroの実験として,市販されている単離肺胞上皮細胞と肺線維芽細胞を用い,マトリゲル上に播種し,種々tの成長因子を添加した条件で,肺胞様のorganoid/spheroid形成実験を行った.播種後数日間はスフェロイド形態が維持されるものの,その後維持されずに細胞増殖が起こってしまったため,現在成長因子添加のタイミング等を検討中である.また,従来のプロトコルである,マウス肺からprimary alveolar epithelial cellsを分離し,線維芽細胞と共培養するシステム構築のための準備を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
過去の患者肺データベースへのアクセスに時間を要し,in vitroの実験系確立に時間を要したため.
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今後の研究の推進方策 |
患者肺データベースのホルマリン固定パラフィン包埋切片からRNA抽出を行い,遺伝子発現の相違を検索する.マウスprimary alveolar epithelial cellsを用いたin vitroの実験系でBPD-PHモデルを構築し,薬剤投与実験を行う.さらに,マウスを用いたin vivo実験系構築のための準備を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は免疫染色の条件検討,in vitroの条件検討に時間を要し,薬剤投与実験に至らず,in vivoの実験検討も遅れたため.
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