研究課題
キメラ抗原受容体(CAR)を用いてヒトT細胞にNK細胞様の応答性を付与することにより、多種類の難治性がんに有効かつ安全なCAR-T細胞療法の実用化を目指して、①NK細胞受容体であるNKp44を改変した新規CAR遺伝子を導入したT細胞の詳細な機能解析とリガンドの検討、②dual targetingに用いるCAR遺伝子の開発、③正常組織への予期せぬ傷害作用の発生を予防するために抑制性機能を持つCARの作成、を行った。①NKp44改変CARについて、10個以上の遺伝子コンストラクトを作成し、詳細に機能解析を行い、特許化したうえで論文発表した。またNKp44リガンドについては、PCNA、PDGF-DD、Nidogen-1について検討した。膜表面に強制的に提示されるキメラ蛋白を用いて細胞リガンドとして働いているかを検証したが否定的な結果が得られた。他の候補と合わせ、今後さらなる解析が必要である。②標的抗原ロスによる再発への戦略としての複数標的ターゲティングのために、複数のCAR遺伝子を新規作成した。Sarcomaを治療対象とするうえで2つ目の標的としてHER2抗原を候補に挙げ、HER2-CAR(新規配列)を作成し、論文発表した。さらに、NKp30やNKG2Dを改変した新規CAR遺伝子も作成し、機能を確認した。今後は、これらを併用する戦略について検討予定である。③抑制性CARについて新規開発を行った。モデルとしてCD19scFvを持つ2種類の抑制性CARを作成した。T細胞株モデルとしてHeLaを認識できる別のCAR遺伝子(腫瘍特異的に活性化)と、抑制性CAR遺伝子を同時発現するJurkat細胞と、腫瘍細胞モデルとしてCD19を強制発現した子宮頸がん細胞株HeLa(HeLa-19)を作成した。このモデルでPD-1および受容体Xの細胞内ドメインを持つ抑制性CARで一定の抑制効果を確認した。
HPのタイトル:新しいキメラ抗原受容体を開発しました -1つの人工アンテナで、Tリンパ球が様々な種類のがん細胞や白血病細胞を検知・攻撃-
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