研究課題
この研究は、グルコーストランスポーター1欠損症(GLUT1欠損症)の成人期における妥当な食事療法を検討し、開発することを目指している。2019年度は、成人期の自然歴を小児期の自然歴と対比するための、自然歴研究、および食事療法の有効性について検討し、2020年度は、新規に患者が多数診断されたことを踏まえ、発達・神経学的所見と髄液糖との対応について検討した。髄液糖/血糖比、髄液糖値をバイオマーカーとして、GLUT1欠損症の重症度としては、新版K式2001によって求められた発達指数や小脳運動失調の重症度(Scale for the assessment and rating of ataxia(SARA))を測定して、重回帰分析を行った。すると、両者ともに相関することが判明した。先行研究では、髄液糖/血糖比や髄液糖といった生化学的なデータは、遺伝子変異の型によって分類すると異なるが、臨床像は、髄液糖/血糖比では有意に異なったが、髄液糖では有意差を示さず、髄液糖/血糖比の方が臨床像を示す場合には優れているとされていたが、今回の検討では、多重決定係数は、髄液糖の方が優れていた。また、乳児期に診断されて、早期に治療を開始できた患者については、全例が回帰直線よりも発達指数が上回っており、発達指数がやや改善することが示唆された。
3: やや遅れている
自然歴研究と重症度予測因子の研究を行った。次の研究段階である、ケトン体の日内変更に関する研究計画書を作成する予定である。
自然歴研究がひと段落ついたため、今年度中にはケトン体の日内変動を検討する研究を開始する予定である。
今後、ケトン食療法を行っている患者のケトン体の日内変動を計測するための機器を購入する際に、費用が必要であり、その購入に充てる予定である。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
J Neurol Sci
巻: 422 ページ: 117321
10.1016/j.jns.2021.117321. Epub 2021 Jan 19.
Brain Dev
巻: 43 ページ: 69-67
10.1016/j.braindev.2020.07.001. Epub 2020 Jul 30.
J Endocr Soc
巻: 4 ページ: bvaa41
10.1210/jendso/bvaa041.