研究成果の概要 |
山口大学医学部附属病院および山口県内の関連病院から川崎病症例を集積し, 臨床症状, 一般血液検査データ, 免疫担当細胞, サイトカイン濃度などの解析を進め, IVIG反応群および不応群の比較検討を行った. これまでにIVIG不応川崎病の機序においてはT細胞、特にCD8陽性T細胞の関与の可能性を明らかにした. IVIG不応川崎病患児におけるシクロスポリンAあるいはインフリキシマブ投与前後における免疫担当細胞をフローサイトメトリーで解析した結果, シクロスポリンA投与前後において活性化CD4陽性細胞及び活性化CD8陽性細胞が減少していたが, インフリキシマブではいずれも増加していた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではIVIG不応川崎病患児におけるシクロスポリンAあるいはインフリキシマブ投与前後における免疫担当細胞をフローサイトメトリーで解析した結果, シクロスポリンA投与前後において活性化CD4陽性細胞及び活性化CD8陽性細胞が減少していたが, インフリキシマブではいずれも増加していた. IVIG不応KD症例においてCD4陽性T細胞, CD8陽性T細胞の活性化が見られるIVIG不応KD患者の場合はシクロスポリンAを選択することが提案できる可能性がある.
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