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2019 年度 実施状況報告書

成体生理機能における胎生期形成DNAメチル化修飾の役割

研究課題

研究課題/領域番号 19K08324
研究機関熊本大学

研究代表者

岡野 正樹  熊本大学, 発生医学研究所, 准教授 (50360863)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードDNAメチル化
研究実績の概要

本研究は胎生期におけるエピジェネティクス変化が成体の生理機能に与える影響を明らかにすることを目的とし、ゲノムDNAメチル化形成を制御するde novo DNAメチル化酵素Dnmt3aに着目する。Dnmt3aは初期胚から成体にいたるまで幅広い組織・細胞で発現し、その遺伝子欠損マウスは離乳期である生後3週令で成長不全・消化管機能不全を示して致死となる。これまで組織特異的ノックアウトにより個々の臓器・細胞における機能解析は詳細におこなわれているが、出生後早期に現れる全身性の表現型は十分に解析されていない。本年は、マウス個体におけるDnmt3a依存的DNAメチル化変化の影響について基礎データを得るため、Dnmt3a欠損マウスおよび酵素触媒活性の特異的欠失マウスの交配実験による表現型解析をすすめた。人工授精・計画出産によって、同じ出生日・同一遺伝型をもつ十分な個体数のマウスを確保し、それぞれのグループの出生後の体重変化を測定するとともに、組織学解析およびDNAメチル化解析のための臓器試料を採取した。Dnmt3aホモ変異による成長不全が確認されたことにくわえて、Dnmt3a酵素活性変異のヘテロ変異マウスは野生型マウスに比較して有意に体重が低下していることが認められ、ハプロ不全もしくは優性阻害による作用機構が示唆された。採取した臓器の組織学解析およびゲノムDNAのDNAメチル化解析をすすめている。マウス交配実験と平行して、胎生期特異的にDnmt3aを欠損するマウスの作製をすすめている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

目的とする遺伝子改変マウスを確実に作製するため、ES細胞を介した従来法による作製方法に計画を変更した。

今後の研究の推進方策

前年度に引き続き交配実験により採取した臓器試料の組織学解析とDNAメチル化解析を実施する。DNAメチル化解析については、ゲノム全体からDNAメチル化変化領域を探索する方法と、候補ゲノム領域に絞ってDNAメチル化を解析する方法を平行して実施する。遺伝子改変マウス作製に先立ち、目的とする遺伝子発現誘導がES細胞レベルで動作することを確認する。

次年度使用額が生じた理由

遺伝子改変マウス作製にともなう技術支援費用およびマウスバンクからの系統購入費用が次年度に持ち越される。

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公開日: 2021-01-27  

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