TSCは全身の良性腫瘍を特徴とする難病である。その患者の多くが難治性てんかんや知的障害などの神経症状を乳児期から発症するため、治療薬の開発が望まれている。従来TSCはmTORの異常な活性化により発症すると考えられており、「mTORを標的にした治療薬」の開発が世界的に進められてきた。そのため、mTORの阻害剤のラパマイシンやその誘導体のエベロリムスが用いられているが、免疫抑制剤であるために副作用も問題となっている。本研究の結果は、TSCのてんかん症状にカルシウムチャネルの異常が関わることを示唆するものであり、カルシウムチャネルを標的とした結節性硬化症の新薬の開発に繋がるものと期待される。
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