研究実績の概要 |
2019年度は今回の基礎研究の元となる分化させたHBEC-KT細胞の培養を行った。当初、培地としてKeratinocyte-SFMを用いてAir liquid interface下で4週間から6週間の分化誘導を行ったものの、培養開始48時間後に上部dishをdryな状態にしたものの、airliftingが行われず、結果として重層化、分化誘導がなされなかった。そのため、培養細胞数、時間の調節を行うことで、最終的に、4.67cm^2(coster 6 well/plate)においては1.5X10^5cellをkeratinocyte SFM2.6ml培養。72時間の培養の後にmediumをpneumocult に変更し4週間でair-liftingを行うことで、air-liftingを誘導することができた。 次に、気管支喘息と深い関係が報告されているアレルゲン(アルテルナリア(ALT-E)、ダニ、YKL-40)やウイルスの主要成分であるPoly I:C、positive control としてLPSを用いてautophagyが誘導されるかどうかをウエスタンブロッティングにて測定した。autophagy の誘導の有無はLC3A:B比にて検討を行った。刺激はALT-E, LPS, YKL, Poly-IC(LMW, HMW)を用いた。濃度はそれぞれ、既存の報告を参考に、高濃度の刺激として、それぞれ50ug/ml,2ug/ml, 1ug/ml, 10ug/ml, 10ug/mlを用いた。その結果は、ALT-E, YKL, LPS,およびPoly I:C (LMW)でLC3 A:B比率でBがコントロール群と比較して高い傾向を若干認めるものの、有意な違いは認めなかった。その可能性として、air-lifting後の細胞は様々な種類の気道上皮細胞に分化しており、分化後の細胞の割合の違いによりばらつきが発生した可能性が考えられた。次に、気道上皮培養上清より各種刺激によるmiRNA分泌の測定を行った。candidate miRNAとして、preliminary studyである、アレルギー母児の母乳中miRNAの変化を元に,miR15B,21,23,595を選択したが、有意な違いは認められなかった。
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