研究課題/領域番号 |
19K08349
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
小谷野 耕佑 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (20437685)
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研究分担者 |
安田 真之 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (00380155)
若林 誉幸 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20644735)
中村 信嗣 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (30437686)
日下 隆 香川大学, 医学部, 教授 (50274288)
森本 絢 香川大学, 医学部附属病院, 医員 (80813881)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 貧血 / 脳循環 / 近赤外光 |
研究実績の概要 |
基礎的検討として、豚新生児急性貧血モデルの確立に努めた。矢状静脈洞採血ラインの安定的な留置と採血実施法が確定し、脳静脈血ヘモグロビン酸素飽和度、脳内酸素消費率、脳静脈血血糖値、脳静脈血乳酸値、心拍出量測定、脳波測定等を行うことが可能となり、脳循環、酸素代謝、活動性指標の変化間の関係を明らかにする基礎的条件を整えることができた。これまでの観察により、研究計画の段階で想定していた通り、貧血の進行による脳血液量の増加は動脈内血液の増加に依存していることが明らかとなってきている。また、脳波上の脳活動性低下に先行して脳内酸素消費率の低下が観察されており、脳の代謝上の活動性と神経学的活動にギャップがある可能性が新たに見出された。 また、ヒト新生児において近赤外光時間分光測定装置 (TRS-21 浜松ホトニクス社)を用いて経時的に脳ヘモグロビン酸素飽和度、脳血液量の測定を行い、貧血の進行によるこれらパラメーターの変化を観察できるようになった。今後測定症例を増やしていく事で、想定している早産児における未熟児貧血の進行による脳血液量の代償性増加の存在を明らかにするとともに、輸血の際に見られた脳血液量変化の個体差の由来を探索するための条件の検討を行い、収集、記録すべき臨床状況、生体パラメーターの選定を行った。 以上のようなこれまでの研究により、今後2年間で測定と解析を進める基盤を確立することができている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
豚新生児急性貧血モデルの確立に時間を要し、当初1年間で基礎的研究を終えられていない。
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今後の研究の推進方策 |
豚新生児急性貧血モデルを用いた基礎的検討を研究期間3年間のうち、最初の2年間で実施予定であったのを半年程度延長して完遂する。
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次年度使用額が生じた理由 |
経費の大半を基礎研究に使用する予定であったが、モデル確立に時間を要し、予定の研究に進めなかったため経費を繰り越した。
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