研究課題/領域番号 |
19K08351
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
伊藤 孝一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (00444977)
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研究分担者 |
村上 周子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (50454848)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | B型肝炎ウイルス / キメラマウス / 水平感染 / 蚊媒介感染症 |
研究実績の概要 |
B型肝炎ウイルス(Hepatitis B virus: HBV)は血液を介して容易に感染し、慢性肝炎から肝硬変・肝癌に至る疾患である。本邦ではHBV母子感染予防処置の普及に伴い、母子感染例が減少し、父、同胞などを感染源とする水平感染例が相対的に増えている。小児のHBV水平感染例のほとんどにおいて、HBVの具体的な侵入経路は不明である。HBV水平感染対策のために、HBVの侵入経路の解明は不可欠である。本研究では、日本脳炎、デング熱、チクングニア熱、デング熱、ジカウイルス感染症などが蚊によって媒介されることに着目し、HBVが蚊媒介感染症になりうるという仮説を立てた。ヒトへの感染成立に必要なHBVの最少量は10コピーとされる。日本に生息する代表的な蚊であるヒトスジシマカの1回の吸血量は1-2μl程度である。高ウイルス量のHBVキャリアの血液1μlには10000コピー程度のHBVが存在するため、ヒトへの感染成立に十分なウイルス量が存在すると推定される。ヒトスジシマカがHBVキャリアから吸血後、HBVに感受性のあるホストを吸血中に殺されると、ホストの皮膚はHBVを含む血液に暴露され、皮膚に傷があるとHBVが侵入・感染すると考えられる。 本研究では上記の仮説の証明のため、下記の実験を予定している。 ①ヒトスジシマカ、アカイエカにHBVキャリア患者の血液を吸血させ、2種の蚊の中腸内におけるHBV量の経時的変化の確認。 ②ヒトスジシマカ、アカイエカから抽出されたHBVの感染性の証明。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒトスジシマカの飼育・実験準備中。
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今後の研究の推進方策 |
①ヒトスジシマカ、アカイエカにHBVキャリア患者の血液を吸血させ、2種の蚊の中腸内におけるHBV量の経時的変化の確認。 ②ヒトスジシマカ、アカイエカから抽出されたHBVの感染性の証明。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた実験を本年度に一括して実施するため。
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